コロナ対応の最前線で働く医療従事者にエールを送ろうと、東柏ヶ谷の洋食店「サムタイム」が海老名総合病院のコロナ専門病棟に向けて週6日間、無償で手作りの弁当を調理し病棟まで届けている。
オーナーシェフの山下法章(のりあき)さん(49)は緊急事態宣言下で店を休業する間、食で医療従事者の力になりたいと思い立ち、市に打診。医師会との調整の結果、1月18日からコロナ専門病棟のある海老名総合病院の東館に週6日、店で調理した弁当を無償で提供している。
県は感染症拡大の防止のため、1月4日に県内全域の飲食店に対し1月12日から2月7日までの期間、午後8時までの時短営業を要請。協力した店舗には営業日1日あたり6万円が協力金として交付される。同店も要請に協力し休業を決定。山下さんは「飲食店への補償は、私利私欲にするのではなく社会に還元すべきではないかと考えた。食材の生産者や医療従事者のために、今私が料理人としてできることをしたいと思った」と経緯を話す。
「あきさんの気まぐれ弁当」と題した弁当は、9つに細分化された容器にバリエーション豊かなおかずが少しずつ詰められている。メニューは毎日変更。医療スタッフからは「種類が多くて嬉しい」「毎日楽しみ」と好評だ。当初1日20食を用意していたが、病棟が増床されスタッフが増加したため、今月1日からは30食に増やした。調理と配達は1人で行い、弁当におかずを詰める作業はボランティアの手をかりている。
コロナ禍で開業
「サムタイム」は昨年2月25日にオープン。これまでレストランやホテルの厨房で腕を振るい、20代から住んでいる海老名で念願の独立を果たした。しかしオープン3日後には政府が学校の休業要請を発表。不運にもコロナ禍とともに1年を迎えようとしている。
テークアウトや1組の貸し切り営業で活路を見出してきた同店。山下さんは「コロナで、飲食店が営業できることは当たり前のことではないと分かった。だから店があるうちは、店の存在意義として世の中のためになることをしたい。今は1人だが、この活動が広がってほしい」と前を向く。
今後も緊急事態宣言中は無償提供を続ける予定。賛同する協力店も募集している。(問)同店【電話】046・204・6851
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