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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2023.02.03

神奈川県いちご品評会で県知事賞を受賞した
遊作(ゆうさく) 準さん
海老名市本郷在住 43歳

”おいしい”と笑顔のために

 ○…手塩にかけて育てた「紅ほっぺ」が県知事賞を受賞し、両親の遺影に向かって喜びを報告した。品評会は果肉の色づきや形だけでなく、パック詰めも審査の対象。「普段の10倍くらい時間をかけて詰めた」と当日の朝を振り返る。海老名市の生産者が上位を独占する結果で、「普段から切磋琢磨し、協力する仲間」と嬉しさを分かち合った。仲間と作る海老名のいちごは完熟が特徴で「他県産よりも甘みが強い」と胸を張る。

 ○…海老名市内で約60年続く農家に生まれた。家業を継いだのは8年前。大学卒業後から工場に勤めたが、病に倒れて一線を退くことなった父の姿を見て就農を決意した。父の教えで、同じ作柄が二度とない成育状況を記録に残し、かけがえのない財産となったノートを見返すほど研究に余念がない。「農家としてはまだ赤ん坊みたいなもの」と謙そんする。

 ○…妻と一人娘の三人家族。妻は二人三脚で農作業に汗を流すいちご作りのパートナーでもある。子育てでは、子どもの意思を尊重して成長を見守るのが基本で、「やりたいことをやってほしい」。趣味は釣りとドライブ。めっきり機会は減ったが、「魚と駆け引きする時間が楽しい」と魅力を話す。長距離運転も苦にならない性格で、獲物のアオリイカを狙って伊豆半島まで車を走らせることもあるという。

 ○…肥料やハウスの暖房に必要な燃料費など、生産コストが右肩上がりに高騰する今季は「本当に厳しい」と本音を漏らす。コスト高を売値に反映する値上げに躊ちょするなかでも生産を続けられるのは、「美味しいという感想や小さなお子さんの笑顔が原動力になっている」と明かし、「これからもできる限り頑張っていきたい」と力を込めた。

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