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公開日：2023.03.31
海老名市
｢温故館｣国登録文化財へ
近代建築「造形の規範」
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郷土資料館の海老名市温故館（上）と建築当初の海老名村役場（下）＝写真提供・海老名市
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移築後の２階小屋組み
国の文化審議会が３月17日に開かれ、海老名市国分南の「海老名市温故館」を、登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。登録されると同市の登録有形文化財は、「旧今福家住宅」「嶋崎家住宅」に続いて３例目となる。
登録有形文化財とは、建築物や土木構造物などのうち原則として築50年以上を経過し、【1】歴史的景観に寄与しているもの【2】造形の規範となっているもの【3】再現が容易でないものを国（文化庁）が登録する制度。
建物は１９１８（大正７）年に旧海老名村役場として建てられた木造洋風の庁舎。建築は、「嶋崎家住宅」（同市上郷）と同じ大工棟梁の藤井熊太郎が手がけた。
構造は二階建寄棟造桟瓦葺で、１階には事務室や村長室など３部屋があり、２階は議場として使用されていた。切妻造の玄関ポーチの柱頭や幾何学的な装飾が施された破風板が特徴的で、明治期から大正期の地方庁舎に多く見られたモダンな面影が残されている。同市教育委員会によると建物は、県内最古の現存する役場遺構だという。
村役場は関東大震災による倒壊もなく、１９４０（昭和15）年の町制施行後も増改築を重ねながら66（昭和41）年まで町役場として使用。その後、82（昭和57）年から海老名市立郷土資料館として活用し、２０１０（平成22）年に大山街道沿いから約１８０ｍ北西に移築された。現在は１階に考古資料、２階は民族資料を展示している。
市教育委員会は今回の答申を受け、「海老名市の近代史を物語る建物です。これからも文化財として大切に扱い、保存に努めていきたい」と話していた。
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