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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2023.06.23

特別養護老人ホーム「座間苑」で洗濯ボランティアを務める
久保 陽子(あきらこ)さん
座間市入谷東在住 100歳

みんなの心も洗濯

 ○…「夏至の日生まれ」が名前の由来。日の出から天高く上った太陽を体現するように百寿の節目を迎えた。生まれつき体が弱かった幼少期を思えば、「こんなにも長生きするとは」としみじみ。気心知れた職員や仲間と過ごすボランティア活動は楽しみといい、「みんな親切で優しいから」と心も踊る。尋常小学校時代に習得した裁縫技術を身振り手振りで表し、入居者の破れた衣類の修繕も難なくこなす。

 ○…海老名市柏ケ谷の出身。9人きょうだいの次女で、幼少期は農業を営む両親の手伝いは当たり前。生後3カ月後に起きた関東大震災の様子を聞かされて育った。「当時は赤ちゃんなのに一緒なって竹藪に避難したと錯覚するほど」。戦時中は、袂の長い着物姿で外出すると「贅沢品だ」と青年団や憲兵に叱れることもあった。「たまにするお洒落も許されない時代でした」と語る。

 ○…32歳の結婚を機に座間市に移り住むと、座間駅周辺で銭湯「大門湯」を夫婦で切り盛り。番頭台に座って笑顔で来店客を出迎えた。「色々な人と会話ができて、本当に楽しかった」。閉店後は帯状疱疹を長引かせて痛みに苦しむ夫に寄り添ったが、献身的な看病の甲斐なく先立たれた。自身も胃がんを患って大きな手術を経験。これを機に食事に気を遣うようになり、「長生きの秘訣は好き嫌いなく、何でも食べること」と笑う。

 ○…若いころは積極的に献血に協力したり、今なおボランティア活動を続けられるのは、「誰かの役に立ちたい」と思ったから。当初は週2〜3回だった活動は、足腰の衰えに伴って1回に減らした。洗濯機の操作や力作業は仲間に頼っても、「いつかは辞め時が来るかもしれないけど、できる範囲で続けたい」と気持ちは衰えない。

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