海老名市と座間市、綾瀬市、大和市の4市は2日、大和市役所で会見を開き、消防の通信指令システムを2026年10月に4市で一元化する方針で合意した、と発表した。一元化により各市の経費負担が軽減され、市民サービスの向上が図れるという。
4市が一元化で合意した「消防通信指令事務」は、119番通報に基づく出動指令を行う消防の基幹機能で、海老名、座間、綾瀬の3市は15年4月からこの機能を共同運用しているが、大和市は単独で運営している。
こうしたなか、本年5月に就任した大和市の古谷田力市長が3市長に呼びかける形で、各市の共通課題について話し合う「大和高座広域連携懇談会」が7月に発足。これまでに開いた3回の懇談で消防通信指令の共同運用が浮上し、スピード合意と発表になった。4市は今後、現在の通信システムが更新時期を迎える3年後の共同運用移行に向けて協議を進める。
海老名市によると、3市が一元化した15年度の初期投資額は約9億8千万円。海老名と座間が2億円、綾瀬が1億7千万円を負担し、残りは国県が負担した。維持管理費は年間約1億円でこれを3市で負担している。3市は職員23人で通信指令を運用しているが、現状16人で単独運用する大和市の合流で「相応の費用削減と人員削減が図れる」としている。削減規模は「今後の積算で見えてくる」とした。
座間市の佐藤弥斗市長は「本市にとっては大和市の医療資源に対する期待感が大きい」、綾瀬市の古塩政由市長は「人口24万の大和市が加わることでスケールメリットが見込まれる」、海老名市の内野優市長は「市境の屋外で生じている現場到着の遅れが解消できる」と、それぞれ共同運用への期待を口にした。
大和市の古谷田力市長は、「今後も市民のためになる連携に取り組んでいきたい」と意欲を示していた。
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