かながわ脱炭素大賞を受賞した「あやせ環境ネットワーク」の会長を務める 伊澤 義一さん 綾瀬市深谷上在住 84歳
環境対策は「大人が率先」
○…友人に誘われて入会して5年。行政や市民団体と協働で環境負荷のない暮らしの実践に向け、普及イベントなどに取り組んできた。「かながわ脱炭素大賞」は、今年度に創設された表彰制度。先輩会員への感謝の言葉とともに「環境負荷の少ない社会の実現には自分だけが良いという考えではダメ。周囲をよく見て思いやる心が大切」と熱を帯びる。
○…茅ヶ崎市出身。祖父の代から続く豆腐店に生まれた。終戦直後でもあり、幼少期から親の仕事を手伝うのが当たり前。背中を追うように自然と家業を継いだ。結婚を機に綾瀬市に移り住み、「イザワ食品」を起業した。豆腐づくりのこだわりは、自分の舌を頼りにするよりも「美味しい」という消費者の感想で納得の味を追い求めること。「お客さんに喜んでもらえないと意味がない」。評判は広まり、小田原や川崎からも注文が相次いだ。
○…一昨年に、約50年続けた豆腐店の暖簾を下ろした。「そんな時代ではないから」と子どもたちに家業を継がせず、一晩で決断した。今年の正月には、3人の子どもと孫2人が顔を揃えて、団らんのひと時を過ごした。「これまで仕事一筋だったから初めて正月に全員が揃った」と目尻を下げる。「退屈しのぎだよ」と照れを隠したが、自由な時間が増えたことで除草作業などのボランティア活動も一層、積極的になった。
○…環境保全や脱炭素社会に必要なのは「啓発や普及と合わせ、大人が率先して子どもたちの手本になること」と説く。ゴミを拾う、指定の場所に捨てるといった当たり前の行動に、「恥ずかしいと感じるような風潮がある」と憂う。自然環境と同様に、美しく正しい行いも、「後世に残すべき」と考えている。
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