海老名・座間・綾瀬 人物風土記
公開日:2025.07.18
綾瀬市子ども会育成連絡協議会会長を務める
星野 敏雄さん
綾瀬市深谷中在住 69歳
育てる喜びとともに
○…30年ほど前に綾瀬市に転居し、3人の子が子ども会に入ったのが始まり。バーベキューなどのイベント送迎を手伝うようになった。それまで川崎市の会社に通う日々だったせいか、他の親との会話は弾まなかった。「地元をまったく知らない自分がいて、これは定年後まずいなと」。それから、自治会も含め積極的に参加し始めた。
○…思い出深いのは米軍基地との交流だ。子どもは言葉が通じなくても身振り手振りで通じ合い、盛り上がった「つな引き」の光景が心に焼きついた。夏の宝探しは、子ども会加入数が減るなか「綾瀬っ子全員が参加できる」として昨年からスタート。「上の子が下の子の面倒を見る、リーダーシップを養える場なんですよ」。子育てに卒業はない。情熱を市子連の赤シャツが物語る。
○…新潟県魚沼市出身。兼業農家に生まれ、小学生の頃から耕運機を動かしていた。手植えで腰が痛かった分、収穫した米粒が愛おしかった。上京後に東芝に就職すると、旋盤で自動改札機やATMの精密部品を作るようになった。ある作業中に誤って手を怪我した事がある。先輩は「自分の指導が悪かった」と、使えない手を心配し食事の面倒まで見てくれた。「こんなに心配してくれるのか」。その感銘を忘れず、自身も部下には同じように接した。
○…趣味は献血で、かれこれ130回以上通った。「健康維持のために毎日歩いてます。70歳の年齢制限で行けるのはあと1回」と名残を惜しむ。技術者だった経験を生かし、今は寺尾小で工務作業員も務める。トイレの詰まりから学校のイスや机など、壊れ方から子どもの心が垣間見える。自宅玄関には献血の表彰と一緒に「直してくれてありがとう」のメッセージが並んでいた。
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