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海老名・座間・綾瀬 社会

公開日:2025.09.12

座間市市民団体
独自に血液検査
地下水、PFAS問題で

  • 会見で語る佐々木由子代表(4日)

 座間市の地下水源の一部で国の暫定目標値を超えた有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、市民団体が9月4日に会見を開き、PFASの血中濃度検査を始めたことを発表した。

 この問題は、座間市に8カ所ある水源のうち第3水源(栗原)でPFASの濃度が国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム)を超過したもので、市の調査によると2020年に79ナノグラムを検出、翌年100ナノグラムを検出した。原因は今も分かっていない。

 市民団体は「座間のPFASを考える市民の会」(佐々木由子代表)で生協やデイサービス、子育て支援関連など8団体で母体の「ユニット座間」を結成。市議会にPFAS汚染の原因究明や健康検査を求める陳情を提出(不採択)し、学習会なども実施してきた。

 自主的に検査を受けるのは、座間市民34人と相模原市民2人、大和と横浜市民各1人で費用は1人1万5千円程度になるという。さがみ生協眼科・内科(相模原市南区)で採血し一般財団法人東京保健会病体生理研究所(板橋区)が分析、結果説明会を11月以降に開く。

 会見で佐々木代表は「自己負担でも検査しようという声が集まった。血液検査は汚染実態や健康被害が分かる貴重な手段。もっと活動を広げたい」と語った。

 佐藤弥斗市長は本紙の取材に対し「会見内容は把握している。市は国の方針に基づいて対応し、学識者の意見も聞き、安全な水を供給している。不安を感じる市民のため、より分かりやすく情報発信したい。市民団体の活動や心情も理解できるので見守りたい」としている。

 PFASは有機フッ素化合物の総称。泡消火剤や半導体、コーティングなどに広く使われてきたが、自然界で分解されにくく、人体への影響が指摘されている。

 国はPFASの血中濃度や健康影響について「どの程度で影響が生じるか明らかでなく、血液検査のみで把握するのは困難」としている。

 座間市は水道水の約8割を地下水でまかない、市のセールスポイントとしてきた。市は目標値を超えた第3水源での取水を休止しており、現在は別の水源の地下水や県水を配水して、定期的な検査結果を公表している。

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