海老名・座間・綾瀬 社会
公開日:2025.09.12
地元生産者に聞く令和の米騒動食を考える【1】
外国産米も並ぶスーパー
秋の収穫シーズンを前に米価格が注目されている。『令和の米騒動』で、あたり前の「食」が危うくなったが、この事態を地元の生産者はどう見るのか。綾瀬市吉岡で畜産業を営み、飼料米を育てる志澤勝さんに聞いた。
--米は自給率が100%だったが、新米の収穫時期でも値段が下がる気配が見えない。輸入米なども着目され、当たり前のように並ぶが、どう見るのか。
いま日本人が食べる「カロリーベース」の自給率はたった38%だ。中国やロシア、北朝鮮などに囲まれて、仮に台湾に関する紛争や海上封鎖などで台湾海峡付近のシーレーンが通れなくなったら食料危機になる。もっと深刻なものとして考えねば。
--飼料も輸入が多い。国は米余りの頃に飼料米づくりを推奨してきた。志澤さんも自身で飼料米を育て、養豚の現場で与えてきた。(食用米の)米騒動の影響はどうか。
綾瀬市で育てる豚には、千葉県や綾瀬市などで収穫した飼料米を与えてきたが、千葉県では飼料米の作付が3分の1に減ってしまった。それでもまだ一部の農家が飼料米を作ってくれている。ただ飼料米の在庫には限りがあり、養豚の現場で与え続けられるのも今年いっぱい。これまで国の方針に沿って飼料米を育て、米を粉砕する装置や倉庫を建設してきた。人が食べる米が足りなければ、食料用を育てるのは仕方がないが、今も飼料米を育てる農家を、ねぎらって欲しい。
--7月の参議院選では各党が農業政策を打ち出した。どのように農を守り育てるべきか。
全国の田んぼは平野部が3分の1。残り3分の2は中山間地域だ。中山間の田んぼの米を国が高く買って、みんなで支援するべき。田んぼは水を蓄えるダムにもなる。スイスでは国民が卵を10個600円で買い、食料自給率を保とうという認識が浸透している。政策としては、やはり所得保障だろう。このままでは賃金の高い職へと人が流れてしまうのではないか。
(連載 第2回へ続く)
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