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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2025.09.26

クライミング・スピード競技のアジアカップで準優勝した
大西 月華(つきか)さん
海老名市国分北在住 17歳

今の自分のりこえて

 ○…試合直前には、大好きな「ミセス・グリーンアップル」の曲を聴いて平常心を保つようにしている。スタート直後数秒でビル5階ほどの壁を登る姿は、そこだけ重力がなく、天に引かれているよう。6月の大会で19歳以下の日本記録5・21を出し、国際大会のチャンスをつかんだ。8月のアジアカップでは準優勝を果たした。

 ○…僧侶の父と、母が与えてくれた名前は、四季折々の美しさを象徴する禅語「雪月華」に由来する。小さい頃は自宅近くのイチョウの大木に、兄の蛍雪(けいせつ)さんとよく登った。上星小4年の頃に通い始めたのが厚木市のクライミングジム。「何度か失敗しながらクリアするのが嬉しくて。落ちても受け身が取れるようになりました」

 ○…中学に入ると全国大会にも出る実力がつき、受験勉強は練習の合間に集中して取り組んだ。現在海老名高校の3年生で、県内外のクライミング施設に通い、多い日は1日30回壁を上り下りする。移動中でもスマートフォンで試合や練習中の動きをチェックする。ランニングコースは北部公園や国道246沿いで、季節の移り変わりに目を向ける。わずかなオフの日には、ららぽーとを歩いたり映画鑑賞へ。付き合ってくれる友人は貴重な存在だ。

 ○…競技用のシューズはバレエシューズのようで、詰め込むようにはくと、つま先に力が入りやすい。10本の足の指にできたタコが痛々しいが、これが普通といった語り口。今年は記録を出せたが、代表選考の基準記録は年々刻まれ厳しくなる。世界に挑戦するためには、国内トップクラスであり続けなければならない。つぶやくように「3年後の五輪を目指しています」。ぶれることなく上り続け、穏やかに壁を見すえ続ける。

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