海老名・座間・綾瀬 社会
公開日:2025.10.03
米不足になった日本 地元生産者に聞く食を考える【2】
「未来の消費者」育てねば
秋の収穫シーズンで米価格が注目されている。日本人にとって当たり前だった主食が危くなり、スーパーの店頭には、外国産米も並ぶようになった。綾瀬市吉岡で畜産業を営み、飼料米を育てる志澤勝さんに聞いた。
--志澤さんは荒廃農地を復活させて飼料米を育てている。今年の出来は。
綾瀬の養豚で与えている飼料米は千葉県の田んぼで収穫するが、今年は食料米に切り替えた所も多い。綾瀬では飼料米を1町5反育てている。昨年とほぼ同じ規模で10月初旬に収穫できそうだ。
--養豚の飼料は、外国産の割合も大きい。そうした中で、国産の飼料米にこだわるのはなぜか。
カロリーベースで食料自給率が38%しかなく、何とか数値を上げたい。近隣国での有事などがもし発生したら、輸入が滞るだろう。衣食住の「食」が来なくなったら大変だ。日本は平和ぼけをしているのでは。
--食料自給については危機を想像するのが難しい。志澤さんは食料不足を体験されているのか。
1歳の頃に終戦となり、4歳の頃に国内は食糧難に陥っていた。都会の人々が綾瀬までリュックを背負ってきて、サツマイモを売って欲しいとやって来た記憶がある。芋を収穫した後に、土の中に残った種芋まで買おうとする人がいた。衣服を食べ物に換える人もいた。あの頃、子どもたちの栄養状態が悪化したから(戦争で中断していた)給食が復活した。
--参議院選でも様々な農業政策が出たが自給率を上げるためできることは。
平らで広大な農地は機械化や効率化しやすいが、山間部はそうはいかない。自然のダム機能もある山間部の水田を維持するには、農家が継続し受け継がれる必要がある。もちろん個々に経営状況をよくする努力は必要だが、所得保障も国策として必要では。機械化が難しい土地で生産したものに対し、相応の価格で消費することを消費者に分かってもらわねば。だからこそ食糧を生産する大変さ、重要さ、自給率の低さの危うさなどが理解できる「未来の消費者」を増やさねばならない。食育は重要だ。
連載完・【1】は9月12日号で掲載
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