海老名・座間・綾瀬 人物風土記
公開日:2026.09.18
精神障害への理解について講演会を開いた「あがむの会」の会長を務める 工藤 松子さん 綾瀬市寺尾南在住 78歳
力をぬいて 手をつなぐ
○…精神障害者家族会の会長を務め、10年以上になる。「あがむの会」は、あせらず、がんばらず、むりをせず、の意味。「精神障害のある人や家族について多くの人に知ってほしい」と、毎年講演を企画する。今年も講師の依頼や広報に駆け回ってきた。以前は障害者就労施設の見学会もあったが、会員の高齢化もあって、外に出かける行事は減っている。
○…20年前に会の存在を知り月1回の語り合いに加わるようになった。よく「自分がいなくなったら、わが子はどうなるのか」という話も出る。同じような家族でなければ分かり合えないことばかり。昨年、自身の大病が分かり、投薬や手術を受けた。「入院を経験して心の病で投薬治療を受ける人の気持ちがわかるようになった」。自身の辛さはあまり語らない。
○…秋田県出身で、毎日長い道を歩いて小学校に通った。雪が降るとカチカチになり、滑りやすかった。秋田と言えば、きりたんぽが知られるが、首をふって「あれは高級品でお客さん用でした」。それより美味しい思い出が「ドジョウ汁」。サラリーマンだった父が田んぼで捕まえ、味噌で味付けする。自宅で野菜も鶏も育てた。郷土は何より水が美味しく、名前の知られない銘酒が多い。体調の関係で味わえないのが残念だ。
○…40年ほど前に、夫が通勤しやすい綾瀬に転居。昔は付近に商業施設がなく、買い物は遠くのさがみ野駅近くまで通った。忠実屋ができて、今のドン・キホーテになり随分楽になっている。闘病などを期に趣味の油絵をやめて、パソコンも車も手放した。自宅では猫の「たろ」がそばにいてくれる。黙って座り、見つめてくる。「こちらが疲れて臥せている時は近寄ってこない」と嬉しそうに背を撫でた。
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