サイエンスパーク(株) スズムシの原理をスピーカーに 薄型・大音量で防災活用にも期待
サイエンスパーク(株)(市内入谷・小路幸市郎代表)がこのほど、スズムシの原理を応用した薄型スピーカーを開発した。遠距離に対する音の伝達に優れ、同程度の音量を発する従来のスピーカーに比べ3分の1ほどの薄さになったという。その特性から、駅や空港など公共の場におけるアナウンスや、防災目的での活用が期待される。
同社は、主にデバイスドライバ関連のソフトウェア開発を手掛けている。社内に、先進的なハードウェアの研究開発を行う部署「システム開発カンパニー」を擁する同社は2009年に手のひらの熱でも発電可能な「低温度差発電」の開発にも着手し、注目を集めた。
スズムシの原理を応用したスピーカーは、慶應義塾大学環境情報学部の武藤佳恭教授のアドバイスのもと、昨年11月頃から開発された。スズムシが応力を与えながら羽をすり合わせて鳴く原理を、しならせた振動板に振動子を合わせることで再現している。サイズはA4サイズ程度で、厚さ約4cm。
同社によると、このスピーカーから発せられる音は距離減衰が小さく、遠距離からもはっきりとした音が聞こえるという。試作品は単3電池4本を動力源としており、従来品より消費電力が少ないのも特徴だ。
市内の「東建座間ハイツ」で実用実験が行われ、今月にいよいよ製品化の見通しが立ったという。広報担当の西村英伍さんは「まずは受注生産から始め、徐々に販路を拡大したい。多くの方が利用する施設で浸透すれば」と話している。販売価格は未定。
問い合わせは同社【電話】046・255・2544へ。
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