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座間 トップニュース社会

公開日:2015.11.06

高齢者の自動車事故対策
「自主返納という選択も」
座間署が呼びかけ

  • 証明書について紹介するチラシを持つ署員

 宮崎県で先月28日、認知症の治療を受けていた73歳の男性が運転する自動車が歩道を暴走し、7人が死傷する事故が発生した。この事故と認知症の因果関係は明らかになっていないが、認知症患者を始めとする高齢者の事故を防ぐことは、社会全体の大きな課題となっている。座間警察署では、運転に自信が無くなった場合の「1つの手段」として、免許証の自主返納と、免許証に代わって身分証明書として使用できる「運転経歴証明書」の発行を勧めている。

受け皿に運転経歴証明書

 NEXCO東日本などが昨年に発表した資料によると、高速道路を逆走した運転手の4割弱に認知症の疑いがあった。警察庁も、2013年中に起きた75歳以上の運転者による死亡事故の3割以上が、認知症や認知機能低下の恐れがある人によるものだったという結果を公表している。

 こうした事態を受けて国は今年6月、75歳以上のドライバーが免許を更新する際、認知機能検査を強化するべく道路交通法を改正(17年6月までに施行予定)。座間署(【電話】046・256・0110)管内においても、65歳以上が関わる事故は14年で全体の32・5%と、高齢者の事故対策は急務とされている。

身分証明として有効

 近年増加傾向にあるのが、免許証の自主返納と、それに伴う運転経歴証明書の発行。証明書は、失効前の運転免許証を返納した人、または5年以内に同じ手続きを行った人が申請できるもの。過去5年の運転経歴を証明すると同時に、法令上「身分証明書」として認められているのが大きな特徴だ(一部除く)。

 12年4月の法令改正前は、本人確認書類として認められる期間は交付後6カ月だったが、改正後は有効期限が無くなった。また、証明書を提示することで、県内の協力交通機関や小売店などで優待サービスも受けられる。

 署員によると、昨年の申請件数は165件だったのに対し、今年は9月までに182件と増えている。精神疾患などが理由のケースもあるが、多くは高齢者。「運転に自信が持てなくなった」と窓口を訪れる人もいれば、「家族に説得された」という人もいるという。

 署員は高齢者の事故を防ぐために、社会全体での移動手段の確保や生活支援の充実が必要だと強調した上で、「本人は勿論、ご家族にもご理解とご協力をお願いしたい。自動車という交通手段を失うことは不便も大きいが、運転に不安を覚えている人は、『返納』という方法も考えて欲しい」と呼びかけている。

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