座間中学校1年の渡邉佑太さんは、自転車を体の一部のように扱い、高難易度の技を組み合わせて演技を披露する「BMXフラットランド」の選手。数々の全国大会で上位入賞を果たしてきた有望株だ。トップ選手をめざし、日々座間市内の芹沢公園で練習に励んでいる。
自転車の前輪を浮かせ、ぐるぐると高速回転をすると、通行人から驚嘆の声が上がる――。芹沢公園で時折見かけられる光景だ。
平地で行うBMXフラットランドは、渡邉さんいわく「フィギュアスケートに似た競技」。制限時間内に技を組み合わせ、その構成や難易度、美しさなどを評価し採点する競技だ。操縦する自転車の前輪・後輪にはペグと呼ばれる足置きがあり、選手はペグを活用して車体を起こしたりバランスを取ったりする。
BMXとの出会いは、年長の頃。町田市での体験会に参加し、抽選でたたまたまBMXが当たったことで習い始めた。以来、関東各地のスクールに通い、次々と大技を習得。「練習した技が完成した時、大会で決まった時は何よりうれしい」。競技にのめりこんでいった。
YouTubeで独学
発展途上の競技で指導者は少なく、スクールも遠方でしか開催されていないのが現状だという。そのため、渡邉さんにとっての良き教材は、動画サイト「You(ユー)Tube(チューブ)」にアップされた一流選手らによる動画だ。パフォーマンスを見て学び、芹沢公園で反復練習。小学4年生の頃には全国大会「キングオブグラウンド」のガールズ&キッズ部門で優勝、今年4月のジャパンカップ鵠沼大会では13歳から15歳が出場する「エキスパート」部門で2位となるなど、着実に力をつけてきた。
得意技は、「タイムマシン」という高難易度技。片脚をペダルに乗せ、片手で前輪のペグを持って回転する技で、「小6から半年かけて習得した」という大技。渡邉さんにとっての生命線でもある。「同じ技でも、前後の構成や審査員によって得点が変わってくる」と奥深さを力説する。
2020年の五輪競技に、ジャンプ台を使った空中技を披露する「BMXフリースタイルパーク」が採用されたことで、BMX界は盛り上がりを見せる。渡邉さんが取り組むフラットランドも2024年のパリ五輪での競技採用をめざしている。
直近の目標は、今冬に静岡県で開催されるジャパンカップでの優勝、そして来年春に兵庫県神戸市で開催される世界大会「BMXフラットランドワールドチャンピオンシップ」での予選通過だ。レベルアップするため、後輪を浮かせた状態で体ごと回転する大技「アラウンドザワールド」に挑戦している。「半年やって少しずつ確率が上がってきた。世界大会で成功させたい」と意気込んだ。
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