座間警察署と(有)座間交通が24日、特殊詐欺事件の被疑者が逃走したことを想定した緊急配備訓練を実施した。事件発生時に被疑者がタクシーを移動手段として利用することが多いため、訓練を実施することで一層連携を強化し、事件の抑止や犯人検挙につなげる構えだ。
市内で特殊詐欺事件が発生した際の調査で、防犯カメラや車載カメラの映像から、被疑者(受け子)が(有)座間交通のタクシーを利用していることが多々あったことが判明したことをきっかけに、実施することとなった今回の訓練。
訓練は、キャッシュカードをだまし取りに被害者宅にタクシーで向かった想定でスタート。被害者宅の前で被疑者が「ここで待ってろ」とドライバーに告げ、被害者と接触している間に、ドライバーが110番通報。これを受け、警察は緊急配備。被疑者がコンビニに立ち寄り、ATMで金をおろしている間にも、ドライバーから警察に現在地を通報。当該タクシーをパトカーが追尾しつつ、検問でタクシーを誘導し、職務質問。タクシーに乗っていた被疑者を制圧するという一連の流れを実際に確認した。訓練の中で警察は、職務質問をする際は、ドライバーの安全を確保するため、何かしらの口実をつけて車からドライバーをおろすことを確認。同社は、タクシー内で異常事態が発生した際にボタン1つで点灯させることができる非常灯が日中は見えづらいことや、普段は「空車」などと表示している部分に「SOS」を表示させると、フェンダーミラーを通して後部座席に乗っている被疑者に「SOS」を表示させていることがわかってしまうことを確認。今後の検討材料とした。
訓練に参加したドライバーは、「事件発生時に、どのように警察が動くかなどを実際に経験しながら知ることができたのがよかった」と話した。
(有)座間交通では、タクシー運行中に、非常灯点灯ボタンを押すと、事業所に自動的に連絡が入り、事業所にいる社員が通報する仕組みになっているという。同社の加藤真一社長は、地元の人を乗せることが多く、ドライバーと乗客が会話をすることが多いことを踏まえ、乗客の異変にいち早く気付くことができるよう心掛けるとともに、「今後も訓練を実施したい」とした。7月23日時点の市内における特殊詐欺発生件数は20件。被害総額3090万円。
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