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記者のボランティア体験ルポ (下) 被災地へ

人はやさしくなれる

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壊滅状態の海岸付近。ガレキの中に看板が掲げられていた=石巻市
壊滅状態の海岸付近。ガレキの中に看板が掲げられていた=石巻市

 東日本大震災で公的機関が破壊された自治体では、ボランティアの受け皿となる社会福祉協議会(社協)が機能を失った。私がボランティアとして赴いた宮城県石巻市も社協の事務所は崩壊したが、被害がなかった石巻専修大に、いち早く災害ボランティアセンター(VC)を開設した。

 大学敷地内にはボランティアが持参した色とりどりの善意のテントが並ぶ。ここを拠点に連休中は個人や団体のボランティア1千人以上が登録し、泥清掃や心のケア、生活支援などの活動に参加。炊き出しだけでも一日に約1万食が市内各地で提供されていた。

 私が炊き出しの一般ボランティアとして参加したNPO法人もVCに登録。毎晩夜7時に、活動を終えた各団体の代表者らがVCに集まり、情報を共有するための全体会議が夜遅くまで続く。狭い会議室は、まさにすし詰め状態。「被災地を何とか復興させたい」という熱気に包まれる。人間は人間でしか助けられない。また、人はこんなにもやさしくなれることを再認識し、私は気持ちの高ぶりを押さえることができなかった。

●「忘れられているような気がする」


 午前5時、底冷えのする寝袋の中で目を覚まし、仲間と高台にある日和山公園に向かった。ここは市内で最も被害が大きかった海岸付近が一望できることから、被災者やボランティアの多くが一度は訪れる場所だ。

 かつて街があったであろう場所は壊滅状態。ガレキが埋め尽くしていた。生まれて初めて接する惨状を前に、ぼうぜんと立ち尽くし、一日も早く元の生活が戻ることを祈るしかなかった。

 被災者の女性と話している中で、「大震災が既に過去のことになっていて、忘れられているような気がする」という言葉が忘れられない。被災地ではまだまだやることがいっぱいある。ボランティアも義援金も息の長い支援が必要だ。

 私はまたボランティアに参加して被災地へ行きたいと思う。そして被災地のことを忘れないで、これからも伝え続けていきたい。

         (おわり)
 

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