子どもの声が響くまちに 公益社団法人 神奈川県私立幼稚園連合会会長 小澤 俊通
少子化が言われて何年も経過しました。出生率は相変わらず低位にとどまり、なかなか改善する傾向にありません。このままではいけないと誰もが思っていても、問題を解決する処方箋を示すことが出来ません。 少子化を止める事には時間がかかり、社会の大問題であるにもかかわらず、目の前の出来事に追われる日々で、誰も直視しようとしていないのでしょうか。勿論、解決策は単純ではなく複合的で、時間軸との戦いでもあります。まずは誰もが意識して出来ることから始めたいものです。
その第一歩は、「子どもたちの声が響く街づくり」ではないでしょうか。
この頃は幼稚園・保育園を新たに作ろうとすると、近隣住民から反対されるという話を聞きます。理由としては「子どもの声がうるさい。」「お迎えの保護者の車で渋滞する。」等々様々です。
確かに夜勤が明けて、ゆっくり休もうとされている方には、子どもの声でも騒音になるのでしょう。施設側も、必要以上に音量を上げないとか、外遊びの時間を配慮するなど対応すべきでしょう。お迎えの保護者の方も、交通ルールなどを守り、自分勝手な行動は慎むべきでしょう。
しかし、子どもの声が聞こえない街ほど寂しいものはありません。やはり寛容の気持ちで受け止めていただけないでしょうか。
また、電車やバスの中でぐずって泣いている子どもを見かける事があります。母親も迷惑にならないようにあやしていても、どうにも泣き止まない場面もあります。
そんな場面では母親を一方的に責めるのではなく、寛容の心で受け入れて頂ければ有り難いと思います。
昨年末、新幹線の中でフランス人と思われるご夫婦をじっと見つめ、笑いかける幼児の姿がありました。そのご夫婦も手を振りながら笑い返し、言葉は通じなくとも心が通いあう一場面を見ました。子どもは不思議な力を持っています。
これからの社会を支えていくのは、間違いなくこの子どもたちです。未来を託す子どもたちを受け止めてくれる社会が求められています。
政策を推進することも大切ですが、少子化対策は私たちの意識を変えるという小さな一歩から始まるのかもしれません。
(厚木田園幼稚園・理事長)
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4月19日