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伊勢原 トップニュース社会

公開日:2023.10.27

県獣医師会鳥海弘会長
環境大臣表彰を受賞
動物愛護と管理に功績

  • 鳥海弘会長

 とりうみ動物病院の前院長で神奈川県獣医師会の会長を務める鳥海弘さん(70)がこのほど、環境省の2023年度動物愛護管理功労者として表彰された。日本獣医師会の副会長などを歴任する鳥海獣医師を取材した。

 同表彰は、動物の愛護とその適正な管理の推進に関して、顕著な功績のあった人や団体に対して表彰するもの。今年度は鳥海会長を含む3人が表彰された。

 鳥海会長は2011年に公益社団法人神奈川県獣医師会の会長に就任。県との間で、2017年度に「災害時における動物救護活動に関する協定書」を締結したほか、2019年度に「神奈川県が保護した犬、猫等に対する獣医療の連携に関する協定書」を締結。会長として事前調整段階から積極的に県と意見交換を行い、実効性のある協定にするために尽力した。

 特に2019年度の協定では、県が動物愛護センターに保護した犬や猫などの譲渡を促進するために、獣医師会会員による診断や治療などの直接的な協力を行える体制を確立した。会長としての役割は、関係各所や団体とのさまざまな検討会や推進協議会などの旗振り役から、環境省など関係省庁との連携など多岐にわたるが、今回はこうした県との良好な関係性の構築による前例のない体制の確立が評価された。

県内で犬猫の殺処分ゼロ継続

 こうした官民の連携は国内でもあまり例がなく、県内では2022年度まで犬の殺処分が10年間ゼロ、猫も9年間ゼロを継続している。表彰に対して鳥海会長は「獣医師会の役員や会員をはじめ、会の職員や県の関係各所、その他関係団体など支えてくれている人たちの協力のおかげ。皆さんの日頃の活動に対する功績だと思っている」と話す。今後については、「やるべきことはたくさんあるので一つひとつ解決していく。特に災害時の対応はマニュアル化済みだが、実際に運用できるよう定期的に検討を重ねていく」と話す。

周りの支えが励みに

 日本大学生物資源科学部校友会会長、同学部獣医学科校友会会長などさまざまな要職を歴任する鳥海氏。自身の病院では院長は退任したものの、診療は続けている。スケジュールは毎月20日以上埋まるほど多忙を極める中、健康を兼ねて、夕食後に30分ほど愛犬と散歩するのが息抜きになっているという。「支えられ頼られることが励みになっている。多くの人と出会い、人脈が広がることがありがたい。財産です」と笑顔で語る。

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