綾瀬市消防団の団長に就任した 古郡 敏正さん 吉岡在住 42歳
親子2代で地域防災紡ぐ
○…綾瀬市で初の親子2代の団長。これまでは消防団歴20年ほどの人が就任することが多い中で、「11年くらいの自分が責任ある立場に就いたことに、プレッシャーを感じます」と頭をかくが、綾西分団長を経て団本部で副団長歴任という実績があってこその推薦。「地域防災を担う役割を持つ一方で、団員の活動は家庭や仕事があってこそ。安全管理を徹底していきたい」と話す姿から、生来の誠実さが伺える。
○…団に所属したのは2006年。もともと東京の幼稚園関係の会社で働いていたが、母が亡くなったのを機に家業の春日幼稚園に戻ったのがきっかけだった。「父も祖父もお世話になった団。当たり前にやるものだと思ったし、自分の地域は自分で守ろうという使命感もあった」と当時を振り返る。入団以降、地元や地域の仲間、先輩が増えたようで、「この繋がりが楽しかったから続けてこれたのかな」と笑顔を見せる。
○…吉岡で生まれ育つ。幼稚園経営に携わる祖父や父の姿を見て育ち、大学卒業後は自然と教育関係の会社を選んだという。現在は園で副園長を務める4児の父。学生時代から続けてきた野球や、ソフトボール、ゴルフなどを趣味でしていたが、今は多忙のため封印している。「こうして団の職務ができるのも、妻の支えがあってこそ。一番感謝しています」と話した。
○…他地域が団員確保に苦労する中、綾瀬は常に定員を保持している。若い人の加入が多いのも特徴だ。「家族感謝の集い」も昔から連綿と続くなど、地域の繋がりの強さが伺える。しかし、かつて団の中心を担っていた自営業者の減少やサラリーマン団員の増加、晩婚化など様々な要因から確保が難しくなっているのも事実。「良い伝統は継承し、変えるべきところは時代に合わせ変えていく。やりがいや楽しさを感じてもらえる組織にしたい」。目を輝かせ語る姿は、地域への思いに溢れていた。