20周年「ハタチの集い」を開催する綾瀬市シルバー人材センター理事長を務める 吉川 重夫さん 大上在住 75歳
地域に尽くした半世紀
○…シルバー人材センターは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会活性化に貢献するための組織。もともと利用する側だったが、長年地域活動に従事した経験や議員としての実績などから打診を受け、2013年5月に理事長に就任した。定年のため最終任期となる今年。「ハタチの集いは、最後の大仕事。大勢に足を運んでもらえるものにしたい」と意気込みを語る。
○…センターの仕事は一般家庭の簡単な手伝いから企業のものまで様々で、月の実働人数は延べ500人以上。60歳から91歳の会員が今までに培ってきた知識や経験を活かし、活躍している。他が会員獲得に頭を抱える中で綾瀬は微増傾向にあり、女性も全国平均25%を上回る3割を占めている。「私は名前だけ理事長だから」と冗談を交え笑うが、「結果が出ているのは、職員の頑張りがあるから」と感謝の念を滲ませる。
○…出身は座間市。結婚を機に綾瀬に居を移し、今は夫人と2人暮らし。近所に住む孫の話をする様は、好々爺そのものだ。「地域は趣味で、生きがい」と話すように昔から消防団や自治会、PTAなどに積極的で、会長など歴任している。これを見込まれ、地元からの強い推薦で会社員から転身、市議を24年間務めた。「だから趣味らしい趣味はないよ」と笑うが、実は大のカラオケ好き。仲間や夫人と、よく歌っているそう。
○…理事長として力を入れてきたのは、安全対策。「高齢であることを自覚し、経験からくる油断が大事故に繋がらないよう、意識を高めないと」と真剣な面持ちで話す。他にも、現役時代プロだった会員の技能を活かした「お直し工房」や、高齢化に合わせた「ワンコインサービス」など新事業、外部講師を招いた催しなど様々な取組みも行ってきた。そこには「多くの人に知ってもらい、地域に根付いた組織として次の代につなげていきたい」という強い思いがある。