綾瀬市手をつなぐ育成会(大部さつき会長)が、防災セットを入れた非常用袋を作り会員の家庭に配布した。基本のセットを用意することで「自助の意識」を啓発するとともに、徐々に薄れつつある防災意識について考えるきっかけにしてもらおうという取り組みだ。
綾瀬市手をつなぐ育成会は、知的障害児・者が地域でいきいきと暮らせる社会づくりを目的に活動を行っている。その中で昨年、福島から講師を招いた講演会を開いたのを機に、「自分に何が出来るかをもう一度考えていた」と大部会長は話す。
会員らと様々な話をする中で、2011年の3・11後に作った防災セットの非常食の賞味期限が切れている家庭や、そもそも持っていない家庭が多かったことが判明した。会長自身、研修で訪れた大分県で熊本地震に遭遇したこともあり、防災セットを軸にした意識の見直しに着眼。公共施設などに備え付けられている非常用袋などを参考に会で内容を考え、市内や近隣の100円ショップなどを手分けして回り60セット分を揃えた。
個々が考えるきっかけに
内容は市の防災対策総合ガイド・防災マップ・土砂災害ハザードマップと、アルミ保温ブランケット、非常食、500mlの備蓄水、緊急用給水バッグ、タオル。これらを非常用袋に詰め、5月15日に行われた総会で配布した。防災対策総合ガイドは、市の提供で最新の物が入れてある。
これ自体はあくまで最低限の基本セットで、それぞれに必要なものを足していく。ラジオなど必需品やお薬手帳のコピーだけでなく、大規模避難所など慣れない環境に適応しにくいことが多い知的障害がある人たちは、心を落ち着かせるための「お気に入りのおもちゃ」などを入れておくのも有効だという。
また、このセットづくりが自体が、それぞれの考え方や非常食・防災グッズなどの生きた情報を会員間で交換するきっけにも繋がった。
「これはあくまで御守りみたいなもの。安いものでも簡単なものは揃うことを伝えるとともに、自分の身を守るのに必要なものを考えて欲しかった」と大部会長。「3・11から7年が経ち、非常食や備蓄水の更新がされていない一般家庭も多いのではないかと思います。この取り組みが、防災を見直す契機に繋がれば」と続けた。
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