綾瀬出身で元市教育長の福島剛さん(79・大和市福田在住)が、著書「洒落に魅かれて」を幻冬舎から出版した。「言葉」をテーマにした同書は、日本語のもつ面白さや奥深さを伝える一冊に仕立てている。
本を書いたきっかけは、定年後に読んだ「源氏物語」の原文。ちょうどこの頃、源氏物語が書かれて1千年の節目で様々な催しがあり興味をもった。
「元々国語の教師だけど、古典は専門じゃなかったから最初は全然わからなくて」と頭をかく。2度、3度、4度と読み込むうちに内容がわかるようになり、次第にその奥深さにのめり込むようになった。原文はすでに21回読んでおり、現在22周目に入っている。
こうして読み解くうち、「紫式部の執念ともいえる言葉への執着に気付いた」と話す福島さん。この頃は「洒落た表現」や「心にしみる言葉」が多く、表現に様々な工夫がされていたという。
「逆に言えば、今の日本人には言葉への配慮や余裕がないように感じる」と、持論を語る。例えば昨今相次ぐスポーツ界のパワハラや政治家の失言は、「これが原因ではないか」と分析する。
著書では落語や古典文学等に触れながら、「洒落言葉」のもつ奥深さや魅力について語っている。「言葉ひとつ、表現一つで人生は豊かになるし、人間関係も円滑になる。その逆もしかり。私の好きな『円居(まどい)』という言葉がありますが、それもこの本で触れています。手に取ってもらい、言葉をもう一度見直してもらうきっかけになれば」と、本に込めた思いを語る。同書は近くの書店に注文すれば、取り寄せ可能。
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