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公開日:2019.11.01

新鮮野菜、団地へ直送
初開催、JAと地域が連携

  • 朝10時に合わせてやってきた買い物客

  • 買い物客と立ち話をする佐藤支店長(左)

 綾瀬市上土棚南の集合住宅「あやせグリーンハイツ」で23日、地場野菜などを青空市で販売する「産地直送朝市」が初めて開催された。地域のJAさがみ綾南支店や管理組合による事前の周知もあり、この日は地域に住む主婦らおよそ60人が買い物を楽しんだ。

JAと管理組合「ウィンウィン」

 この朝市は、JAさがみ綾南支店(佐藤由美支店長)とJAさがみ農産物直売所「グリーンセンター綾瀬」(野村明宏店長)、あやせグリーンハイツ管理組合(西浦準二理事長)の三者が連携して企画した。

 JAは支店の地域深耕と地場産野菜の認知度アップ、管理組合は住民への買い物支援と地域コミュニティの活性化など三者が「ウィンウィンの関係」で一致して実現した。

利用客の声から

 そもそものきっかけは、JA綾南支店に寄せられた利用客の声だった。

 「重いものを持って買い物をするのが大変」といった高齢者の声が寄せられるなか、支店職員が「何か手伝えることはないか」と考えるようになった。はじめは「買い物同行サービス」や「代行サービス」などのアイデアも上がったが決定打を欠いていた。そこで過去に農業体験イベントなどで交流があった同じJAのグリーンセンターに出張販売をもちかけた。

 この相談を受けたグリーンセンターの野村店長は「移動販売に必要な人員や農産物の確保など採算面の課題もあったが、まずはやってみようとお返事をした」という。

普段より多め

 グリーンセンターには1日40〜50件の農家らが農産物や加工品を出荷している。このうち「半数強」(野村店長)が野菜を出荷していて、生産者にはいつもより多めの出荷を促していた。

 店では地場産の朝採れ野菜が主力商品で、この時期は年間を通しても品数が豊富な時期。そこで初開催となる朝市には、当日朝に出荷された新鮮な地場産のキャベツやダイコン、キュウリやナス、トマトなどを持ち込み、県内外の産地から選りすぐったカボチャやハクサイ、リンゴ、ブドウのほか、お茶や味噌などの加工品も揃えた。

「お話しできる」

 前日の雨も上がり爽やかな秋の青空が広がったこの日は午前10時の販売開始に合わせて10人ほどが集まり、すぐに30人ほどの住民が買い物に訪れ賑わいを見せた。

 客の大半は主婦で「重いものを買ってもすぐに持ち帰れるのがいい」「普段は会えない人ともお話ができて嬉しい」「11月と12月のカレンダーに印をつけてある」など評判も上々。

 西浦理事長(80)は「思った以上に来てくれてホッとした。これからも続けていけるよう売り上げにも貢献したい」と話し、成功を喜んでいた。

 グリーンセンターの野村店長はサトイモやハクサイ、ナシ、ホウレンソウを追加するよう店に指示しながら「予想を上回る盛況で正直驚きました。お店としてもこうした地域貢献ができて嬉しいし手ごたえを感じている。根モノや果実など重いものから売れていった。次回に向けて参考にもなった」と話していた。

 次回は11月19日(火)に開催される。

交流の場にも

 あやせグリーンハイツは1978年に神奈川県住宅供給公社が開発分譲した集合住宅で、3〜5階建ての全8棟に252世帯が暮らしている。

 長後駅まで徒歩20分の立地で、周辺には「マルエツ」や「いなげや」、コンビニもあり「買い物先にはそれほど困っていない」(管理組合)。一方でエレベーターのない集合住宅で外への足が遠ざかり、住民同士の交流機会が以前より少なくなっているという。

 西浦理事長によると住民の高齢化が深刻で、組合としての催事は年に2回の清掃活動などに限られている。

 そうした中で初の試みとして開催した朝市には当初、集客面に不安もあったが、今回の盛況を契機に今後の継続に期待を寄せている。

 JAでは11月と12月4日(水)にもこの朝市を開催し、今後の継続方法などを改めて検討することにしている。綾南支店の佐藤支店長は「楽しく買い物されている姿を見るとこちらも嬉しくなる」と話し、客と交流していた。

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