深田台の中央公園にあるデッカー司令官の胸像。これを製作した彫刻家・川村吾蔵の所蔵品展が、横須賀美術館で催されている。
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長野県で生まれた吾蔵は、20歳でアメリカ・フランスに渡り、彫刻家として歩み始める。ニューヨークでは屋外のモニュメント彫刻を手掛け、高い評価を得た後にモチーフとしたのは「乳牛」。酪農家から、理想的な体型の乳牛像の制作を依頼されたことをきっかけに、動物学者とともに研究を重ね、1922年に『完全なる乳牛模型』が完成。以降、”牛の吾蔵”として、世界にその名を広く知られるようになった。
日米関係の悪化に伴い、帰国したものの活躍の機会がなく、故郷に戻り、不遇の時代を過ごした吾蔵。戦後、進駐軍から声がかかり、横須賀に招かれたという。横須賀基地の美術最高顧問として、EMクラブ内にアトリエを提供され、マッカーサー元帥をはじめ進駐軍高官らの胸像を多数製作。1950年に市内の病院で亡くなるまで、この地で創作活動を続けた。
今回の展示では、横須賀ゆかりの彫刻家として、代表作となった乳牛像や同館で所蔵している「トルソ」などブロンズ像14点から、その業績を振り返る。
会期は12月14日(日)まで。観覧料は一般310円、高大・65歳以上210円(企画展の入場で観覧可)。問い合わせは、同館【電話】046・845・1211
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