地域の歴史や文化を地元小学生向けに、分かりやすい内容にして発行してきた「くりはま歴史絵本」。このほど、「久里浜の文化を考える会」のメンバーによって、これまで発行したシリーズ9集をまとめた総集編「第10集」が発行された。
それぞれ異なる時代や文化などテーマ別に焦点を当てて、1年に1冊ずつ発行してきたものをつなぎ合わせ、新しい写真なども加えている。久里浜に人が住むようになったとされる約1万6千年前の話から、ペリー上陸に始まる近現代までの膨大な歴史、さらには伝統の行事や風習までを描いた、216ページの大作に仕上がった。製作費用は約180万円を計上。その多くは商店街関係者、地元自治体などからの協賛金でまかなわれた。約500部を発行し、地元の学校や病院などに送付している。一般向けには、久里浜行政センターで購入することができる(3500円)。
同会の小川喜久雄さん(73)は第4集から市の補助が打ち切られたことなどに触れ「多くの人の協力により、発行することができて、本当に良かった」と目を細めた。
10年の集大成
1集が発行されたのは10年前。それまで同地域の歴史・文化を記した本はあったが、成人向けで内容が難解なところがあった。「未来を担う子どもたちのためになるものを」と発起人の小川さんや元教諭など市民有志、久里浜行政センターの職員らの協力で新たな書物を発行する運びとなった。
仕立ては絵本形式で、子どものキャラクターを登場させ、漢字には全てルビを振るなど、わかりやすさ、親しみやすさを考慮して製作。近辺にある6つの小学校などで授業の補助教材としても活用されてきた。小川さん自身も出前授業を行い、話を聞いた児童が実際にフィールドワークに出向き、理解を深めるケースもあった。
「地元児童の郷土愛をこれからも育んできたい」と小川さん。本製作に関しては一区切りだが、「掲載できなかった写真の展示会を開けたら」と同会での活動を続けていくつもりだ。
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