都知事も、防衛大臣も、民進党党首も女性となった。女性リーダーが続々と誕生している。国を挙げて社会進出を後押ししている面はあるが、組織に「新しい風」を吹かせてくれることを期待する声も確かに存在する。男性社会の象徴ともいえる海上自衛隊でも今年2月、初の女性護衛艦艦長が誕生している。護衛艦「やまぎり」を指揮する大谷三穂2等海佐(45)。さきがけとしての心構えを聞いた。
海自初の女性護衛艦艦長
「初の女性護衛艦艦長」--。否が応でも注目を集める存在だ。これを切り口とした新聞・雑誌のインタビューを就任以来、10回以上受けた。現在、海上自衛隊の中で女性が占める割合は全体の6%弱。隊としても増員させる方向を示しており、大谷2佐は”働く女性”のモデルケースとしての役割も担っている。
昨年まで、女性の活躍を推進するプロジェクトチームでリーダーを務めた。夫婦の勤務地離れの解消や男性を含めた子育て支援制度の取得向上に声を上げ、一歩前身させたという。
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防衛大学の女性第1期生。考古学者をめざしていた大学2年生の時、テレビ画面の向こう側で繰り広げられる湾岸戦争に衝撃を受けた。ぬるま湯のような自分の日常を顧みて、いても立ってもいられなくなった。「不思議でなりませんが、国防への意識が沸々と湧いてきたのです」。時を同じくして、防大の女子学生受け入れの新聞記事が目に留まった。再受験の決断に時間はかからなかった。
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実は脚光を浴びるのはこれが初めてではない。女性初の副艦長に就任した時も同じく話題となった。どのポジションでもフロントランナーを担う使命を背負っている。もちろんそれを本人も自覚。「ここで失敗すると、後進に迷惑を掛けてしまいます。つまずくことはできません」。だからといって背伸びはしない。部下に無用な緊張感を与えてしまうからだ。「肩の力を抜いて、自分らしく」を心がけているそうだ。
任務にもよるが、母港を1〜2カ月離れることはざら。洋上だからといって身だしなみを怠らず、毎日の化粧は欠かせないという。「ノーメイクで疲れた表情を見せていたら、部下は何かあったのか、と戸惑いを起こしてしまいます。だからいつも同じ姿なのです」と笑顔を見せた。本当かどうかは定かではないが、艦に「新しい風」を吹かせているのは間違いない。
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