良好な高台の眺望に誰にも邪魔されない静かな環境。このほか、一癖も二癖もある掘り出し物件を求める人たちが谷戸の「空き家」に注目している。選択の基準は便利さよりも個性のようだ。
人が集うシンプル空間
坂本町「野ざらし荘」
坂本公園のほど近く。住宅街の坂道から1本奥に入った急な階段の先に母屋と離れが2棟連なる古びた平屋がある。
都内から2年前に移住したフリーライターの清土奈々子さんは、仲間たちと母屋を改装してアートカフェ「野ざらし荘」を開設した。床をはがして昔話に登場するような土間をつくり、古民家の風情が漂うスペースを創りだした。
清土さんは空き家や古民家などユニークな物件を専門的に扱う不動産業者のサイトでこの場所を見つけた。
「横須賀が基地の街であることも知らなかった」と話すくらい予備知識はゼロ。初めて訪れ、市街地にありながら周囲の喧騒から隔離されたような雰囲気を味わえるこの場所に一目ぼれした。出産を控えて現在は開店休業の状態だが、来年をめどにアーティストの作品展示やワークショップを行っていくという。
決め手は防空壕
田戸台「山の上ベーカリー」
田戸台の住宅街に人知れずオープンした「山の上ベーカリー」が密かな人気を集めている。薪窯で焼き上げる手づくりの薪窯パンがウリだ。営業は日中のみとなるが、「ヨーロッパに憧れているマタギの小屋」をコンセプトにしたお洒落なカフェスペースもある。
事業主は悪条件な土地を開発し、ユニークな形態の店舗やシェアハウスを次々に誕生させている「大関商品研究所」。横浜にあるツリーハウスカフェなどが有名だ。
今回手掛けた店舗は、大正時代に建てられた築100年超の平屋を全面改装している。商売には不向きと思われるこの場所への出店を決めたのは裏庭にあった戦前の防空壕の存在。ワインセラーや談話ルームとしての活用などが思い浮かんだという。
同社では住宅や店舗のリノベーションも手掛けており、近く横須賀に拠点を構える計画。空き家や古いビルにアイデアとセンスで新しい価値を吹き込むという。
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