広大な都市公園に点在する彫刻作品。「外で”泳がせる”ことができて嬉しい」と話すのは、秋谷在住の海洋彫刻家・神山豊さん。今月1日から山口県宇部市で開かれている現代日本彫刻展「第27回UBEビエンナーレ」で、応募277点のうち実物展示の18点に残り、下関市立美術館賞にも選ばれた。受賞作品「Megaptera(ザトウクジラ)」は幅4m、高さ2m強。イメージから図案を引いて模型を作り、木を彫っていく作業で完成まで約1年半かかったという。
「作品を動かすことで完結する」―”動く木の彫刻”という独自手法は、20年ほど前、自宅近くの海岸で座礁したマッコウクジラを見たことが影響している。「相当な迫力があって。元気に泳ぐイメージを彫刻で表現してみたかった」と話す。自宅暖炉に使っていた薪をヒントに、材料は植木屋さんから譲ってもらうなどして調達。海の近くで暮らし、潜るのも好き。作品はクジラのほかにダイオウイカやアンコウ、カジキなど、表情や質感、動きにもこだわる。
「一生続けられるものに挑戦したい」と大学卒業後、美術の世界に転身。油絵を描いていたが、2000年頃から彫刻を手掛けるようになり、渡米し学んだ。
今作は、ビエンナーレ終了後もしばらく同園で公開、その後、横須賀に帰ってくる。これまで、市内では横須賀美術協会の会友展など屋内展示ばかり。「地元の海が見える場所で見てもらえる機会があれば」と夢を語った。
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