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失敗の「語り部」になる 講演家・エンターテイナー等身大株式会社 代表内藤 紗弥花 VITAさん

社会

掲載号:2019年1月18日号

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 元お笑い芸人で、講演家・エンターテイナーとして活躍する内藤紗弥花VITAさん(33・横須賀高校卒/三浦市出身)。強い自我ゆえ、いじめを受けるなど苦悩した10代・20代を経て、自分の居場所と使命を見つけた今、日々の幸せを感じている。

 「等身大株式会社」─。2016年に立ち上げた会社には、「自分が自分らしく輝けば世界が変わる」とのメッセージを込めた。内藤さんは、能力開発や自己実現に関する講演活動を全国各地で年間100回以上行っている。その半数は、進学・就職という人生の岐路に立つ高校生や大学生。トレードマークのピンクやブルーの派手なスーツに身を包み、ユーモアを交えながら自身の半生を振り返り、笑顔で語りかける。大切にするのは“等身大力”だ。

 聴講者と向き合う上で、その人のすべてを肯定することを徹底。「不安があるのに『頑張ろう! 失敗を恐れるな!』と言っても無理。大丈夫だという安心感がベースに無ければ」。インターネットやSNS、コミュニケーションツールが多様化し、人間関係の希薄化が叫ばれて久しい昨今にあっても、「最後には他者との繋がりが人の幸せの大部分を占める」と内藤さんは語る。これまで接してきた高校生・大学生を「自己肯定感が低い子が多い」と分析、「自分が話すことで、『こんなに失敗している人がいるなら自分も頑張ってみよう』と思ってもらえたら」

 子ども時代を一言で表すならば、「目立つことなら何でもやる子」。学級委員、応援団、生徒会はおろか、授業でも率先して挙手。人の注目を集めることがとにかく快感で、同級生たちからは良くも悪くも一目置かれ、教師や家族はその言動に手を焼いていたという。

 高校進学後、1年生で生徒会長に就任。リーダーになっても周りを省みることができず、「『内藤、お前はもういいよ』って空気になって」。さまざまところで軋轢が生まれ、いつしか学校で孤立。インターネット上の掲示板では名指しで誹謗中傷され、いじめを受けた。不登校になったり、反発心から突然金髪にしたり。一時は自殺を考えるほど悩んだという。そのとき、心の支えになったのは両親の存在。母は「あなたはそういう子だから」と諭し、肯定してくれた。就職活動を始めた大学3年の冬、母から突如としてお笑い芸人への道を勧められた。「普通になろうとしてない?」。その言葉に背中を押され、吉本興業の養成所へ入所。大学卒業後、芸人となった。芸名はイタリア語で命、活力、生活を指す「VITA」を名乗った。

 11年に芸人活動は一応の終止符を打ち、磨き上げたトークスキルを武器に現在は講演家として活動する。「ここが私のステージ」。30歳を過ぎてようやく輝ける場所を見つけた。

 かつての自分と同じように悩み苦しんでいる子たちに伝えたい言葉がある。

「『生きていてよかった』と思える瞬間がきっと訪れる」。胸を張る表情には、一点の曇りもない。

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