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横須賀・三浦 スポーツ

公開日:2019.07.05

一生の友と出会った
山田衛さん(関東学院六浦高卒 53歳)

  • 打線の要としてクリーンアップの一角を務めた

  • 介護施設を経営している

 高校2年生の夏、ポジション分の選手しかいないチームでベスト8に進出した。翌年も20人の小所帯で甲子園出場に挑みベスト4まで駒を進めた。附属中学時代からの気心知れたメンバーはチームワークが抜群。これに加えて、原動力となったのが後にプロ選手となった”屈指の右腕”で同級生の蒲谷和茂さんの活躍。エースを支える女房役としてミットを構えた。

 「140キロ台後半の速球は2カ月でミットが駄目になるほど」。サードからのコンバートは不本意だったが、自分以外にその球を受けことのできる選手はいなかった。

 印象に残るのは、決勝進出をかけた向上高校との大一番。相手の4番にバックスクリーンに叩き込まれた本塁打にレベルの違いをまざまざと見せつけられた。マウンドに駆け寄り、向上打線に打ち込まれるエースを鼓舞し続けたが、力及ばなかった。「1万5千人の観衆が横浜スタジアムに詰めかけていたが、声援が一切聞こえないほど集中していた。意外なほど気持ちは冷静だった」

  *  *  *

 高校卒業後に社会人野球の門を叩いたが、2年間在籍して通算成績は1打席0安打。越えられない壁があることを知った。

 高校野球で得たものは何か? その質問には「今もつながる友人関係」と即答。現在は長沢で高齢者施設を経営しており、チームメイトだった蒲谷さんを介護の現場に迎えて10年間一緒に仕事をした。

 高校野球の夏が近づくとソワソワする。時間が許せばスタンドで声援を送る。名前も知らない、話したこともない選手だが、母校のユニフォームに特別な感情が沸き立つ。仲間と濃密な時間を過ごしたあの頃──の自分を思い出すのだ。

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