かつて横須賀学院高校に在籍し、昨年6月に小児がんの一種・骨肉腫で他界した齋藤崇人さん(深田台)。亡くなる前に退学した崇人さんを慕うクラスメイトが、彼の写真を載せた卒業アルバムページを作った。
崇人さんは不入斗中学校から進学。それまで打ち込んできたソフトテニスを高校でも続け、学校生活を歩み始めた矢先の8月末、足の痛みで受診した医師から骨肉腫であると告げられた。以降、入退院を繰り返し、登校出来ない日々が続いた。手術を終え、2年生の春から松葉杖をつきながら通学を再開。文化祭では催し物のお化け屋敷作りでクラスの中心となり設営や装飾に尽くした。その後肺への転移が確認されても希望を捨てず卒業と大学進学に向け自宅学習やトレーニングに励んだ。だが肺の手術後に脊髄への再転移が見つかり治療に専念するため退学。自宅へ同級生や先輩が度々見舞う中、17歳4カ月の生涯を閉じた。
絶えない友情
崇人さんが在籍した3年5組のアルバムページには、一人ひとりの幼少期の写真を生年月日と合わせて掲載。制作を担当した飯塚柾さんと小林翔太さんは”たかちゃん”と呼んでいた崇人さんの人柄を「とにかく優しい」「気遣いが出来る」と一様に声をそろえる。崇人さんの母、美和さんは「『身体が動くうちに行きたいところへ行こう』と尋ねたところ、『いや、いい。俺にとっては学校がワンダーランドだから』と笑顔で話していた」と振り返る。彼にとって同級生や学校が生きる源・目標になっていた。
共に卒業式
今月2日の卒業式、美和さんも崇人さんの写真を携えて出席=写真。川名稔校長は告辞で「崇人に生きる力をくれ、忘れず思い出してくれてありがとう」と美和さんの言葉を代読。崇人さんの前向きさや周りへの気遣いにも触れ、「今できることを最大限に尽くす生徒だった。皆もこれからの人生、できる限りのことを精一杯頑張ってほしい」と言葉を詰まらせながら卒業生にエールを送った。式の後、クラスメイトらが美和さんのもとへ歩み寄り、崇人さんへの思いを涙ながらに伝えていた。
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