でこぼこ道の子育て記 22.介護保険の申請へ一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛
―現在の連載は10年ほど前、子どもたちがまだ小さい頃、介護をしていたときの経験を書いたものです―
転院先で教えてもらった介護保険。申請をするため市役所へ。義父を家で待たせるわけにもいかず、幼い子どもも一緒に行ったのですが、これが大変。まずは障害福祉課に主治医の診断書と意見書を提出し、要介護認定の申請。次に精神障害者手帳発行の申請…と手続きが多く、書類ひとつ記入するのも一苦労でした。そんな中で覚えているのは、担当職員に「(転院先の)この先生、アルツハイマー病の権威として市内では有名なんですよ」と教えてもらったこと。転院に不安のあった私を、ホッとさせてくれました。
後日、訪問調査がありました。初回は保健師、介護福祉士など「医療・介護・福祉」の専門知識をもつ職員の方が来てくれます。目的は、介護対象者と直接面談をしながら、身体機能、起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応、日常生活自立度…など、介護認定に必要な項目を調査するというもの。しかし義父の場合、身体機能に問題はなく、人当たりの良い性格から、なかなか短時間の面談で日常の困り感を汲み取ってもらうのは難しいことでした。結果は「要介護1」。今でこそ認知症に対する理解が広がり、配慮されるようになってきているものの、当時の認定基準は厳しかったように思います。そうは言っても、介護保険の申請をしたことで、ケアマネ―ジャーさんが付き、デイサービスを利用できるようになったことは、義父にも私にも大きな変化となりました。 -次回に続く
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