でこぼこ道の子育て記 最終回.義父から娘へ「心」のバトン一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛
―現在の連載は10年ほど前、子どもたちがまだ小さい頃、介護をしていたときの経験を書いたものです―
義父の介護をしている時期に生まれた、末娘うらら。2歳になる頃、アンジェルマン症候群という障害があることがわかりました。介護を終えた矢先で、母は「神様はどれだけ試練を与えるの?」とこぼしました。私自身も「どうして私ばかり...」と思わずにはいられませんでした。なかなか現実を受け止められず、ただただ悲しくて苦しくて泣いてばかりいました。
それでも娘と過ごす中で少しずつ、気付いたことがあります。それは、障害があっても病気があっても、感じる「心」は変わらない、ということ。発語がなく感情の表出が難しいという特性がありますが、障害があるから成長が遅いからといって、何も分からないわけじゃない。言葉はなくても彼女なりの方法で理解して気持ちを伝えてくれている。「心」でたくさんのことを感じているのです。これはまさに、介護を通して気付いたこと。「あぁ、私は義父から大切なことを先に教えてもらっていたんだ」。自分が経験してきたことは何一つ無駄ではなく、すべてが今の自分に繋がっているのだ、と。義父と過ごした時間はかけがえのない財産。きっと、私たち家族のことをしっかり見守ってくれていることでしょう。
さて、3年に渡って連載してきた介護&子育てのダブルケア奮闘記も、今回で最後。4月からは、障害をもって生まれた娘うららとの歩み〜現在まで、さまざまなエピソードを交えていきたいと思います。引き続きお付き合いください!
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