学校制服最前線☆ 【第2回】 制服の意義を考える
前回は、ジェンダーレス化に伴い、横須賀市内でも詰め襟からブレザーに切り替えが進んでいることに触れた。兵庫県神戸市や千葉県松戸市のほか、神奈川県内でも南足柄市など、他の自治体では「標準服(制服)の在り方」に関する検討委員会を立ち上げ、変更に向けて教員やPTA、大学教授などが話し合いの場を設けるところもある。一方、市内では、標準服着用の規定については各学校長の裁量に任されている。その理由や意義、時代の流れとともに変化を遂げている着こなし方などをまとめた。
TPO身につけるツールにも
標準服着用の規定について、横須賀市教育委員会は「各地区の歴史や特色などもあり、生徒や保護者の声は当該校の校長がよく把握している」とし、変更などについての判断も各学校長に委ねられている。
そもそも標準服を着る意義とは何か、を市教委に聞くと「課外活動や修学旅行など数百人の生徒を連れて外出する場面も多くある。管理面を考えて学校運営していくうえでも、標準服は欠かせないツール」と答えた。
昨年10月、神明中で配布された学年通信には、制服着用をテーマに「身だしなみができる人の言動はきっと大丈夫であろうと信頼される」「そこには、その時・その場・その人・その場面がどんなものかを思いやる気持ちがあるはず」(一部抜粋)と記されている。「"愛校心"を胸に抱きながら、きちんとした格好を自分で考えるのが大事」と小板橋貴久校長。他校でも、TPOに合わせられる自覚を持った行動の重要性を説く意見もあった。
着こなしも時代で変化
上町にある学制服専門店「今関」の今関直志社長によると「近代化の象徴として洋装の詰め襟は明治から、セーラー服は大正から広まった」という。昭和には変形学生服、平成に入るとルーズソックスが流行したことについて「昔は熱い先生が多く、反抗する生徒にもエネルギーがあった。自己主張の表れだった」と懐かしむ。
ただ現在、市内で制服を着崩す生徒の姿を目にすることが少ないのは何故か。「今の制服はデザインや機能性が重視され、自由に着こなせるようになったから」。今関社長はそう分析する。坂本中では昨年4月から詰め襟からブレザーに変更。白Yシャツのほか、白と紺のポロシャツも採用した。河合健治校長は「生徒は毎日、アレンジを楽しんでいる」と評判も良さそうだ。ポロシャツは岩戸中、大楠中、北下浦中、久里浜中でも着用されている。
|
<PR>