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横須賀・三浦 社会

公開日:2023.07.14

生物観察
虫取り網片手に縦横無尽

 三浦半島を中心としたフィールドワークを通じて、生き物や自然とのふれあいを楽しむ「観音崎自然博物館ジュニア生物調査隊」の中学部に所属し、生態調査や保全活動に力を注ぐ。亀岡讓さんも矢口孝太郎さんも、幼い頃からの生き物好きが高じて、小学校高学年から参加。雑木林へ分け入ったり、水辺で泥まみれになったり、砂浜を這いつくばったり--。夢中になって生き物を追いかけ続けている。

 調査隊では最近、絶滅危機にある「トウキョウサンショウウオ」の保全活動にも取り組み、生息地を定点観察。貴重な卵が捕食されないようにみんなで知恵を絞り、亀岡さんは「個体数が少しずつ増えている実感と喜びが活動の醍醐味」と感想を話す。

 また、2人は神奈川県内で絶滅種とされてきた水生昆虫「カミヤコガシラミズムシ」や「コガタノゲンゴロウ」などを博物館周辺で次々と発見。同館の学芸員・佐野真吾さんとの連名で論文も発表しており、「とてもうれしくて達成感があった」と矢口さん。館内には採集者名に自身の名前が入った標本がずらりと並び、種で異なる色や形の魅力、生態のおもしろさ、採集時のエピソードなど一つひとつ指さしながら語った。

 時間があれば連れ立って、大好きな虫取りのためならどこへでも。休日には網を背負い、自転車で城ケ島や葉山などをフットワーク軽く、縦横無尽に駆け回るほどの仲の良さ。最終学年の今年、ようやく同じクラスになれたことで、休み時間も"生き物談義"に花を咲かせると言い、「仲間であり相棒であり、良きライバル」と評した。

 そんな2人が今、熱心に追いかけるのはトンボ。秋口までが最盛期のため、それぞれのお目当てと遭遇するチャンスを逃すまいと勇んで出掛ける毎日だ。

 将来の夢は、互いに「生き物に関わる仕事に就くこと」。矢口さんは「トウキョウサンショウウオの研究をしてみたい」、亀岡さんはカメラに詳しい祖父の影響で「写真家に興味がある」と話し、「まずは高校受験を頑張らないと」と笑顔を見せた。

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