横須賀・三浦 教育
公開日:2023.11.24
勉強は教室の中だけじゃない
「本物」に触れる新鮮な学び
授業は座って話を聞くだけのもの?-伝統文化やジャズの歴史を教員の解説だけでなく、その道のプロに実演を通して学ぶ試みが市内小学校で行われた。児童は身を乗り出し興味津々な眼差しを向けた。
夏島小/笑い溢れる古典落語の世界
走水小では11月15日、(公財)横須賀芸術文化財団による小中学校へのアーティスト派遣事業の一環で「宮脇惇 Quartetto ジャズ・ライブ」が開かれた。
若手演奏家によるコンサートを継続して行っている同財団。今回は横須賀にゆかりの深い「ジャズ」をテーマに、走水小と田浦小でライブを企画した。
宮脇さん=写真中央=は市内在住のジャズクラリネット奏者。「生の演奏に触れることでジャズの魅力・歴史を感じてくれたら」と「ドレミの歌」など全10曲を演奏した。
ジャズの名曲のほか、同校の校歌をジャズ風にアレンジしたものも披露され、児童のほか来場した地域住民も演奏に合わせて合唱した。「茶色の小瓶」では児童がリコーダーや打楽器で演奏に加わる場面も見られた。
演奏後は児童から「ジャズを始めたのいつから?」「ジャズを作った人は誰?」等の質問や「生の音は迫力がある」「ドラムを叩いてみたい」といった感想が飛び交った。
走水小/生演奏で学ぶジャズの歴史
夏島小では11月20日、5年生の国語科「古典芸能の世界」の一環で市内出身の噺家 瀧川鯉丸さんを招いた特別授業が行われた。
舞台上の「上手・下手」といった日本芸能の基本概念や、身振り手振りを交えて登場人物を演じる落語の醍醐味を小噺を交えながら解説。授業中盤では児童が高座に上がり、扇子を用いて蕎麦を食べる振る舞いに挑戦した。登場人物が食べているのが蕎麦なのかうどんなのか、麺をすする音や、動作、表情によって様々なイメージを与えられることを学んだ。最後には瀧川さんにより古典落語の定番「牛ほめ」が披露された。
同校の安井望教諭は「表面的な知識だけでなく、実際に体感することで古典芸能への理解はさらに深まる」と今回の取り組みの意図を明かし、児童の物事に対する主体性の向上に期待を寄せた。
授業後、児童からは「昔の話でも分かりやすい」「麵をすする様子が美味しそうだった」といった声が聞かれた。
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