横須賀・三浦 文化
公開日:2023.11.24
映画上映関連トーク 木川剛志氏×山崎洋子氏
目を背けたい過去、でも向き合う
戦後の横須賀に外国人の父と日本人の母の間に生まれた”混血児”の木川洋子さんが66年ぶりに日本を訪れ、自身のルーツを探るドキュメンタリー映画『Yokosuka1953』が、横浜市中区長者町の横浜シネマリンで上映されている。11月19日には同作品の監督である木川剛志氏と社会派作家で、「GIベイビー」と呼ばれた混血児たちを取り上げたノンフィクション『天使はブルースを歌う 横浜アウトサイド・ストーリー』などの著書がある山崎洋子さんによるトークショーが開かれた。上映は12月1日(金)まで。
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「戦後、米軍基地が置かれた場所を中心に、混血児と呼ばれた子どもが(記録に振り幅があるが)20万人から5千人存在したとされている」と木川氏。困難な状況から児童養護施設に引き取られたほか、海外養子縁組に託された人もあり、洋子さんはその1人だったという。
横浜の児童養護施設で子を育てることのできなかった母親たちの生々しい記録を目にしたことのある山崎氏は「平和な世の中で人は善人になれるが、命が脅かされて他人どころではない状況となれば豹変する」と話し、木川氏も「関係のない誰かの話ではない。戦中・戦後の狂気の中では、人間らしからぬ行動を取らざる得ないものが現れる。今に続く問題」と続けた。
山崎氏はさらに踏み込んで「先の大戦で日本兵もアジア各国で同じように振る舞い、洋子さんのような子どもたちが数多く生まれたと想像する。被害者としてだけでなく、加害者としても負の歴史に向き合っていかなくてはならない」と持論を述べた。
ドキュメンタリー映画YOKOAUKA1953
戦後混乱期の1947年に横須賀で生まれたGIベビー、木川洋子さんの実母さがしを追ったドキュメンタリー映画。作品タイトルになっている1953年は洋子さんが養父母とともに渡米した年。それから66年間、実母と連絡を取ることも日本に帰ることもなく、面影すらも思い出せなくなっていた。それが今作品を手掛けた木川剛志監督の手引きで、ひとつの事実にたどりつく(2021年制作/107分)。
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