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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2024.02.02

神奈川県内の建設業関連団体が主催するコンテストで表彰を受けた
宇内 裕之さん
佐原在住 33歳

「伝える」に力点を置く

 ○…神奈川県内の建設現場で活躍する若手技能者を称える「青年優秀技能者賞」を受賞した。勤務先である「宇内建設」もはまゆう公園の施設改修工事で最優秀賞を獲得しており、ふたつの栄冠を同時に手にした。

 ○…前者の評価ポイントは、建設業の魅力発信とイメージアップへの貢献。建設業界は深刻な担い手不足の課題を抱えており、新規参入者の確保が命題となっている。対策として今年度、横須賀建設業協会では建設科のある工業高校に出向いて通年で測量、図面作成、アスファルト舗装などを実習で学ぶプログラムを実施しており、講師陣の一人として携わった。前職は中学校の社会科教員。教壇での指導はお手の物と思いきや、「工事申請の書類の書き方を学ぶコマを担当。6年間のブランクに戸惑ったが、伝えることの喜びを再確認する機会となった」

 ○…教員時代は「生徒を引き付ける面白い授業づくり」がモチベーションだった。だが部活動や生徒指導に追われ、どれも中途半端な自分にもどかしさを感じていた。そうした折に、父親から家業に誘われて転職を決断。専門外の仕事だが覚悟を決めて再出発した。教師の仕事を手放してしまった後悔がどこかにあり、「(工業高校の実習は)やり残したことを果たす気持ち」で生徒たちと向き合った。

 ○…郷土史に明るく、地元の偉人をテーマにした講座でスピーカーを務めることもある。横須賀製鉄所の建造を推進した小栗上野介の右腕の栗本鋤雲、「郵政の父」と称される前島密の功績を広く伝えたいと願う。「栗本は幕末外交で活躍、前島は実務官僚として文明開化を10年早めた」。温厚な人柄も得意分野の話になると饒舌になる。情熱家な一面をのぞかせた。

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