横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2026.11.06
城ヶ島の藻場再生に取り組む三和漁業協同組合城ヶ島支所長を務める 石橋 英樹さん 三浦市三崎町城ヶ島在住 55歳
不屈の魂で海と生きる
○…城ヶ島周辺の海で、メバルやイセエビなどが姿を消し始めたのは15年ほど前。温暖化による海水温の上昇で生態系が崩れ、本来は温かい海域に生息する生物により海藻が食い荒らされたことが原因だった。漁師にとって死活問題で、「すぐ手を付けなければ」と藻場の再生に着手。周囲から懐疑的な声もあったが、やがて自治体や企業、地域住民ら協力者が加わり、わずかながら海藻が根付き始めている。
○…代々漁師を営む家に生まれ、幼い頃から仕事を手伝った。「一度は外の世界を」と高校卒業後は水族館へ就職したが、父の病気を機に35歳で家業へ。一人前への道のりは険しく、網の数を増やして経験不足を補った。漁から戻れば後処理に追われ、一睡もできずに海へ出る過酷な日々が続いた。そんななか、心がほどけるのが日の出の時間。房総半島から伊豆半島へ広がる空のグラデーションは、何度見ても息をのむ美しさだ。
○…中学3年の時に母を病で亡くし、父もがんに侵された。突然の苦境にも4人兄弟の長男として弟や妹を支え、家事を担った。週末には友人たちと同じバスに乗っても、向かう先は遊び場ではなくスーパー。気恥ずかしさもあったが、「幼くして母を失った兄弟を思えば、自分が力になるのは当然」。漁と藻場再生に休みなく活動する献身的な生き方の原点は、この少年時代にある。
○…9月に世界的トークイベント「TEDxMiura」に登壇し、砂漠化する海の深刻な現状や藻場再生の活動を世界へ発信した。城ヶ島周辺では少しずつ成果が見え始めているものの、「大きな台風が来れば、明日にはなくなるかもしれない」。果てしない地球規模の課題にひるむことなく、海を守るために一歩ずつ進んでいる。
ピックアップ
意見広告・議会報告
横須賀・三浦 人物風土記の新着記事
コラム
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











