神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀版 公開:2024年4月5日 エリアトップへ

"海の隼"をあるく 〜按針が見たニッポン〜47 江戸編(5)作・藤野浩章

公開:2024年4月5日

  • X
  • LINE
  • hatena
江戸城富士見櫓(やぐら)
江戸城富士見櫓(やぐら)

「え!?大御所さまが...」(第十一章)



 シャムから平戸へ戻ってきた按針は、ついに家康が亡くなったことを聞かされる。そして平戸城で松浦隆信(まつらたかのぶ)から家康最期の様子を聞く。

「ところで按針、大御所さまがどれほどの財産を蓄えていたと思う」──本書ではその膨大な財産が会話に出てくるが、中でも"シャボン"(石けん)が千個以上あったというのが面白い。「国中の富という富を一人占めしよって」と隆信は苦々しく言い放つが、按針は「家康ほど人々の恨みをかった極悪人がいただろうか」としながらも、同時に「無理難題を吹きかけられるたびに能力の限界に挑み、成長させてくれた」存在であると振り返っている。それをこの後の世界でどう活かすか、が問題だった。

 1616年夏、江戸城で秀忠と対面した按針は、ついに家康ではなく秀忠の花押(かおう)がある朱印状を受け取る。ただし、だいぶ待たされた後のことだ。

 家康亡き後の世界で、ついに独立して貿易を行える――自ら造った海隼(かいしゅん)丸に乗って意気揚々と浦賀へ向かう按針。"第3の人生"の始まりとも言える晴れの凱旋(がいせん)だった。逸見(へみ)ではゆきと久しぶりの再会を果たし、宴も催されたのだった。

 ところが、である。

 朱印状を一読した三浦浄心(じょうしん)が思わぬ事を口にする。"もう浦賀や江戸湾ではイギリス船は見られないのか"というのだ。

「まさか」──彼は翌朝慌てて江戸に戻ることになったが、これが逸見の里との永遠の別れになるとは、誰にも分からなかった。

横須賀版のコラム最新6

わたしのまちでいきる

わたしのまちでいきる

【26】試行錯誤の連続「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

5月17日

"海の隼"をあるく

"海の隼"をあるく

〜按針が見たニッポン〜最終回 逸見編作・藤野浩章

4月26日

"海の隼"をあるく

"海の隼"をあるく

〜按針が見たニッポン〜49 平戸編(7)作・藤野浩章

4月19日

わたしのまちでいきる

わたしのまちでいきる

【25】2つの学習支援事業「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

4月19日

"海の隼"をあるく

"海の隼"をあるく

〜按針が見たニッポン〜48 江戸編(6)作・藤野浩章

4月12日

"海の隼"をあるく

"海の隼"をあるく

〜按針が見たニッポン〜47 江戸編(5)作・藤野浩章

4月5日

あっとほーむデスク

  • 5月24日0:00更新

  • 5月17日0:00更新

  • 5月10日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

横須賀版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook