神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀・三浦版 公開:2025年2月7日 エリアトップへ

OGURIをあるく 〜小栗上野介をめぐる旅〜第33回 横須賀編【4】文・写真 藤野浩章

公開:2025年2月7日

  • X
  • LINE
  • hatena
小栗(手前)と栗本の像(横須賀市自然・人文博物館)
小栗(手前)と栗本の像(横須賀市自然・人文博物館)

「同感じゃ。やはり、交際の深いオランダであろうな」(第四章)



 小野友五郎(ともごろう)の「江都(こうと)海防真論」の存在は、小栗をどれだけ励ましたか分からない。これをベースにして理想の造船所づくりに邁(まい)進することができるうえに、すでに幕府に建議されているということだから、内容を現実的な形にしていけば幕閣の理解も進みやすいだろう。小栗はもちろん、誰もが造船所の必要性は良く理解していたが、どう進めればいいか?はまったく分からなかったのだ。

 その点、勝海舟(かつかいしゅう)は自前でなく外国に頼む方が現実的だ、という。しかし小栗は"夢を現実にする方法"を徹底して考える道を選んだ。内乱に加え、幕府の形すら変わりかねないこの状況下で、即効性の無い、いわば「未来のタネ」に向かって幕府の総力をかけようとは、その時誰も考えていなかっただろう。

 ちなみに「江都海防真論」の第一部は造船所についてだが、第二部では海上砲台の必要性が詳細に記されている。これは現実になり、例えば今も東京湾に浮かぶ「第二海堡(かいほう)」は小野の案がベースになった。

 さて、造船所をつくるにあたり、その技術指導をどこに頼むか。本命はアメリカだったが、ちょうどこの頃、同国では「南北戦争」が始まり、他国の世話を焼いている場合ではなかった。残りはイギリスが有力だったが「日本を未開の弱者とあなどり、全ての面で傲慢(ごうまん)、狡猾(こうかつ)な態度を見せる」というのが二人の一致した考えで、冒頭のセリフに至る。

 そんな時、小栗邸を一人の男が訪ねて来る。若き頃からの盟友、栗本瀬兵衛(せへえ)(鋤雲(じょうん))である。

OGURIをあるく-画像2

横須賀・三浦版のコラム最新6

OGURIをあるく

OGURIをあるく

〜小栗上野介をめぐる旅〜第40回 横須賀編【6】文・写真 藤野浩章

3月28日

わたしのまちでいきる

わたしのまちでいきる

【36】「5領域」とのつながり「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

3月21日

OGURIをあるく

OGURIをあるく

〜小栗上野介をめぐる旅〜第39回 横須賀編【5】文・写真 藤野浩章

3月21日

OGURIをあるく

OGURIをあるく

〜小栗上野介をめぐる旅〜第38回 横浜編【5】文・写真 藤野浩章

3月14日

OGURIをあるく

OGURIをあるく

〜小栗上野介をめぐる旅〜第37回 横浜編【4】文・写真 藤野浩章

3月7日

OGURIをあるく

OGURIをあるく

〜小栗上野介をめぐる旅〜第36回 横浜編【3】文・写真 藤野浩章

2月28日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月28日0:00更新

  • 3月21日0:00更新

  • 3月14日0:00更新

横須賀・三浦版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

  • OGURIをあるく

    OGURIをあるく

    〜小栗上野介をめぐる旅〜第40回 横須賀編【6】文・写真 藤野浩章

    3月28日

  • わたしのまちでいきる

    わたしのまちでいきる

    【36】「5領域」とのつながり「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

    3月21日

  • OGURIをあるく

    OGURIをあるく

    〜小栗上野介をめぐる旅〜第39回 横須賀編【5】文・写真 藤野浩章

    3月21日

横須賀・三浦版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年3月28日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook