横須賀・三浦 社会
公開日:2025.06.27
ペットも高齢化
「老犬・老猫ホーム」に脚光
医療技術の進歩により長寿化が進む現代、恩恵を受けたのは人間だけではない。餌の発達などもあり、ペットの犬や猫も同様に平均寿命は延伸傾向にある。一般社団法人ペットフード協会が一般家庭の犬猫の平均寿命を調査した結果によると、2024年時点で犬は14・90歳(10年比1・03歳増)、猫は15・92歳(同1・56歳増)だった。このような状況下、飼い主とペットが共に高齢になり、「老々介護」に陥るケースも少なくなく、昨今、高齢のペットを有償で預かる「老犬・老猫ホーム」の需要が全国的に高まっている。横須賀・三浦両市の現状はどうか。記者が追った。
10年後の暮らし「飼う前に想像して」
「飼い主の高齢化による入院、死亡などの理由で相談件数が年々増加しています」--。そう話すのは、横須賀市日の出町の「動物病院ヘルスペット」の愛玩動物看護師、七戸浩花さん。本来は動物の治療や手術を行う病院だったが、10年ほど前から「長期的な預かり」を依頼されることが増えたという。このような事情を抱える人の受け皿となるべく2014年、入院スペースの一画を開放。病院業務と並行して、「老犬・老猫ホーム」の運営を始めた。
そもそもこの施設はどのようなサービスを提供しているのか。食事や投薬、医療連携、排せつ処置などを行い、看取りまでを全うする。高齢や病気、あるいは飼い主の事情などにより、自宅での飼育、介護が難しくなった老犬を預かり、専門的なケアを提供する施設のことを指す。同院では、終身預かりを主な形態としている。
人・ペットともに長寿化が進むにつれ、同院では相談件数が年々増加。これまで約10匹のペットを受け入れてきた。七戸さんによると横須賀・三浦両市からだけでなく、都内や横浜などからも要望が増えているという。現在はスタッフの対応が追い付かず、今年7月頃まで受け入れを停止している。
同院では亡くなった飼い主の親族からの相談が多く、「最期まで看てあげたい」という気持ちもある一方で、この時点でペットも高齢化しており、専門的な知識や体力などを要する介護が必要なケースも多い。七戸さんは「ペットを飼う際は、10〜15年後の自身と動物の姿、暮らしを想像する必要がある」と注意を呼び掛ける。
飼育放棄、多頭飼育崩壊も
三浦市三崎を拠点に犬猫の保護活動や譲渡会などに取り組むNPO法人Anismaによると、シニア世代の「飼育放棄」、無秩序に繁殖させてしまい世話不能になる「多頭飼育崩壊」が増加傾向にあるという。相談を受けて自宅へ赴くと、50匹を超える犬がいることも。騒音や異臭など、近隣トラブルに発展するケースも多く、「そうなる前に周囲に相談を」と同法人の担当者は話す。
同法人は昨年6月に三崎動物保護センターと別法人化。独立したことにより、保護スペースが大幅に縮小した。運営する施設「みさきアニマルすまいる」や、一時預かり宅での保護を続けているが、相談は増え続けており、現在は満員状態が続く。「譲渡が追い付かない状況。空き家などを一時的にでも預かり先として貸してくれる人がいれば」と窮状を訴える。
同法人は現在、第二の保護施設をつくるべく、クラウドファンディングで6月29日(日)まで支援を呼び掛けている。詳細はCFサイトのレディーフォーで。
ピックアップ
意見広告・議会報告
横須賀・三浦 ローカルニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











