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横須賀・三浦 スポーツ

公開日:2025.07.04

「立てた誓い」果たせずとも
冨重英二郎さん(東海大相模高卒・24歳)

  • 先発三本柱の一翼を担った(本人提供)

  • 直球は最速151キロ

 甲子園常連校の東海大学付属相模高校で、先発三本柱の一角を担い、3年の夏には、甲子園の土を踏んだ。「登板する可能性は0」。それを分かりながら-。

 入部すぐにしたケガや厳しい環境についていけず、半年間はチームで唯一、ただただ走り込む日々だった。技術、向上心、体力、精神面-。どれを取っても「自分だけ明らかにレベルが違った」。全体練習とは離れ、「蚊帳の外」ともいえる状況は、はじめのうちは楽だった。緊張感のあるチーム練習に入らずに済んだから。だがその甘えは、必死に食らいつき上を目指す仲間の姿に感化され、次第に変わる。「この仲間の中で活躍したい。必ずエースに」。立てた誓いを胸に自分と野球に向き合い、2年秋にメンバー入りを果たした。

 迎えた最後の夏、またもケガに見舞われた。県予選が始まる2週間前に肩を骨折した。それでも投げた。チーム、仲間と甲子園にいくため-。チームは夢の舞台への出場権を手にし、さらに勢いづいた。だがケガを押し切り登板した自分にはもう投げられる余力は無かった。「もうマウンドには立てない」。それでもそんな自分をベンチに入れてくれた。甲子園では必死にベンチワークに徹した。「チームが勝てばいい。自分は二の次」。そんな思いで仲間を鼓舞したが、3回戦で惜敗。「不完全燃焼」。その5文字だけが残った。

*  *  *

 夢を追わずにはいられなかった。国際武道大学、社会人野球へと進み、現在は神奈川県を拠点に活動する独立リーグ「神奈川フューチャードリームス」でNPB入りを果たすその日を待っている。「自分が決めた夢は諦めない」。高校野球が教えてくれた生きる糧だ。

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