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三浦の散歩道 〈第81回〉 みうら観光ボランティアガイド協会

掲載号:2015年4月10日号

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畑中の道に建つ「狐塚」の石塔
畑中の道に建つ「狐塚」の石塔

 「郷戸」の道を「名向小学校」方面へと向かって歩いてみます。やや細い道を進んで行きました。すると、左側が開けた谷戸の上に出ます。その谷戸はかつては、森林になっていたのでしょうが、現在は何もなくゴミだけが上の道から眺められる状況です。やがて、宅地に改められる様子も見えます。歩を進めて、県道に至り、「名向小学校」の入口を右へと入りました。前方の左手に「油壺幼稚園」の建物が見えてきました。その前の道は農道なのでしょうが、舗装された立派な道が畑の中を西に向かって続いています。しばらく歩いて行きますと、道が二つに別れます。筆子は左手の道を進みました。十メートル程歩きますと、左へ下る坂道へと別れる所へと出ます。この辺りは、今はキャベツ畑が周囲に広がっています。前方には「富士山」がすっきりと眺められる景勝の地でもあります。左側の土手の上には、「大島桜」が満開の花盛りで、思わず眺め入ってしまいます。前方に富士、やや右手にマリンパークの白い塔が眺望できる地点の道の脇に、「狐塚」と刻まれた石塔がありました。塔は新しいように見えますが、台座は古く見えます。塔の脇に欠けた茶碗もみられます。キャベツ畑の中に何んで、このようなものがあるのか、不思議に思ってしまいます。これにはひとつの伝説のあることがわかりました。『浜諸磯』にある「神明社」の裏手の浜、小さな灯台のある浜辺に以前、市の掲示板があって、次のように書かれていました。『きつね浜ときつね塚』という表題でした。「この付近一帯を浜諸磯、この左手の浜をきつね浜と言う。昔、大時化(しけ)のとき、この浜で十余人が遭難。全員が死亡、それ以来この浜に立つと凪(なぎ)の日でも、あらしの日でも、沖で櫓をこぐギーコー、ギーコーという音が人々の耳に絶えず聞こえ、ときには死者の呻(うめ)き声も交り、悲愴な思いが胸に迫ってきたという。また、(三浦荒次郎)義意が射た矢で狐が落ちたことからきつね浜と言われる。九尾の狐で、郷戸というところに埋めて、塚をつくりましたが、その塚が夜中に畑の中をあちこちと駆けまわり、毎朝塚の位置が変わっていたと言うことで、塚にさわると病気になると恐れられていた。」以上のように書かれていましたが、いつの間にか掲示板はなくなっています。同じ話が、昭和四十四年に刊行された『三浦の伝説と民話』(三浦市観光協会発行)にも掲載されています。ところで、今、キャベツ畑の脇に見られる「狐塚」が、この話の中に出てくるものなのでしょうか。現在では位置は変らないようなので、一安心です。(つづく)
 

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