三浦版 掲載号:2016年1月29日号 エリアトップへ

三浦の散歩道 〈第99回〉 みうら観光ボランティアガイド協会

掲載号:2016年1月29日号

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道の辺に建つ六十六部供養塔
道の辺に建つ六十六部供養塔

 「諏訪神社」の鳥居を出て右の方へ少し歩きます。海を背にした石塔が見られます。高さは約一メートル、横幅四十センチ、厚さ二十五センチの石塔です。正面の上方に「阿弥陀三尊」の種子(しゅし)(梵(ぼん)字(じ))が刻され、下の正面に「奉納大乘玅典六十六部塔」と記され、右側に、「文化元甲子年」と「天下和順」とあり、その下に「供養」とあって、「厲(れい)行(こう)者(励んで行うの意か?)当村」とあります。左側には「日月清明」「霜月摩訶(しもつきまか)日」とあって、その下に「経営 神田五良吉敬白」と刻字されています。これは、月日のよい、陰暦の十一月のすぐれた日に、神田の五良吉なる人が造りあげたと、敬(うやま)って申し上げる。ということなのでしょう。

 この塔が建てられた文化元年は今から二百年も昔の1804年のことです。その頃、この三戸村では、諸国の寺社に参詣する巡礼の人が不幸にも旅の途中で亡くなったりした時に、このような「供養塔」を建てたのでしょう。情に長(た)けた村の方々なのですね。このような行為は他にも見られるのです。

 海辺の道から少し離れて家々の間(あいだ)の道へと進んで来ました。この地域は「神田」と呼ばれる里になります。家の表札に「進藤」や「石田」が多くあります。そのためか、姓の下に「屋号」が記されています。

 海辺への道を逆に東へ向かい、進藤酒店の手前を左折し、百メートル程進むと「福泉寺」に至ります。寺の入口、昭和五十三年に建てられた「浄土宗 龍圓山福泉寺」の記名された石塔を中心に、左側に五基の石塔と右側に徳本上人書を想われる「南無阿弥陀仏」の名号塔と腕に子を抱いた姿の子育て観音像と庚申塔の三基が見られます。

 左側の五基の塔の中に珍しいものがあります。前面三基の真ん中にあるもので、「一切亡虫魚墓」と刻字されています。高さ五十センチ横巾二十五センチ程の小さな石塔ですが、虫や魚など生き物などへの憐みの心を表示した供養の塔なのでしょう。その右には、先き程海辺で見られたと同じ、上部に「阿弥陀」の種子と「大乗玅典六十六部供養塔」の文字と両脇に「天下和順」、「日月清明」と刻まれています。右の側面には「寛政五癸丑年九月 行者友八」とあります。今から二百二十三年前の1793年のものです。「友八」という回国行者の供養塔なのでしょう。他に、寛政十二(1800)年の年号のある地蔵菩薩の石像、龍圓山静誉の名がある「六字名号塔」と「馬頭観音」の石塔があります。

 この福泉寺については、『初声村誌』に記された縁起には、「天文中(1532〜55)当初に住む進藤和泉守が開基となり、永禄年中(1558〜70)和泉の子隼人正が帰依(きえ)した空誉専然を開山とする」とあります。

(つづく)
 

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