三浦版 掲載号:2018年11月2日号
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連載 第27回「城ヶ島のこと その3」 三浦の咄(はなし)いろいろ みうら観光ボランティアガイド 田中健介

ウミウの生息する赤羽海岸の崖地
ウミウの生息する赤羽海岸の崖地
 「それで梨香は、急に自分が、ツーリスト・ビューローの女であることを思い出し、安里に城ヶ島の説明をしてやる気になった。

 安里のすぐ後ろには、〈県立城ヶ島公園案内図〉があった。そこを指差して、梨香は、『私たち、今、ここにいるのよ。左の方へ行くと、展望台もあって、見晴らしがいいと思うの。』(中略)安里も、じっと見入った。『そうよ。それから、右のこのコースは、海(うみ)鵜(う)展望台から、海岸沿いハイキングコースと畑の中ハイキングコースの二つに分かれているわけ。どっちを行っても、城ヶ島燈台へ行けるわ。お二人で、このハイキングコースを行くといいわね』と梨香は説明した。」(後略)

 いきなりの会話場面から入りましたが、これは斉藤栄著の『城ヶ島殺人旅情』の一場面です。この作品は、月刊「小説NON」誌に平成元年三月号から六月号まで連載された小早川警視正シリーズの第五作です。

 小早川警視正の妻の妹・夏木梨香は、旅行社に勤めている。その梨香の親友・河井安里の恋人・友野主計が、約束の城ヶ島に現れず、『みすくたくまか』という謎の言葉を残して失踪した。という内容の小説です。

 その引用の中に、「海鵜展望台」が出てきます。「海鵜」は、三浦市の鳥に指定され、市内にある下水道管の鉄蓋に、この「鵜」が描かれています。

 北原白秋の歌に「三崎城ヶ島は鵜の鳥島よ 潮のしぶきで鵜が育つ」があります。

 毎年十月下旬になると、ウミウやヒメウが遠く北の地、千島列島から飛来して、翌年の四月頃まで、この城ヶ島で見ることが出来ます。

 「三浦市」の表示板によりますと、神奈川県指定天然記念物「城ヶ島のウミウ、ヒメウ及びクロサギの生息地」として、昭和三十五年(1960)年五月三十一日に指定されています。その説明として、「城ヶ島の南側、太平洋の荒波を受ける断崖は高さ約三十メートル、幅二キロメートルに及び、自然景観もよく残されている。この崖の中ほどや東に位置する赤羽海岸周辺には、崖面の岩棚や割目にウミウとヒメウ、それにクロサギが生息することでよく知られている。」と記されています。

 「県立城ヶ島公園」の駐車場に至る手前を右へ入ると赤っぽい舗装された、やゝ狭い道を行くと、以前、昭和天皇も来臨された、「ウミウ展望台」があります。観察や撮影に適した処です。城ヶ島で越冬するウミウを見に行くのも一興かと存じます。

(つづく)

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