三浦版 掲載号:2020年7月10日号 エリアトップへ

連載 第62回「『三浦古尋録』より三浦の七石【1】」 三浦の咄(はなし)いろいろ みうら観光ボランティアガイド 田中健介

掲載号:2020年7月10日号

  • LINE
  • hatena
安房口神社の御神体「飛び石」
安房口神社の御神体「飛び石」

 『三浦古尋録』の初めの方に「三浦の何々」と記されている箇所があります。今回、そのうちから「三浦七石」の部を追ってみようと思います。

 書の下巻の初めに「八幡久里浜村ヲ初メテ南ヨリ西ヱト海岸鎌倉飯島前小壷村ニ至ル……」と記され、当時の村名、36村が書かれています。そのうち、いちばん西方寄りの「小壷村」の「鍋島石」から尋ねてみようと思います。

 そこには「鍋嶋(なべしま)磯」が紹介されています。「是(これ)ハ先年鍋島ノ船石ヲ積(つみ)来リテ此処(ここ)ニテ破船ス、故(ゆえ)ニ鍋島磯ト申スヨシ」とあります。現在の「不如帰(ほととぎす)碑」近くと思われます。

 江戸城築城の折り、幕府は各藩に石垣用の石を運ぶよう指示したと言われています。その時、鍋島藩の運搬船が、この地で遭難したときの積石を「鍋島石」と称したのでしょう。

 二つ目は、秋谷の「立石(たていし)」を指します。本文の脚注に「此処(ここ)ノ浜ニ立石ト云有(いうあり)、海中高数十丈有…」とあります。一丈は約三・〇三メートルですから30メートルを超(こ)える程の石柱と言えましょう。なお、この地は「大崩(おおくずれ)」とも言われています。

 三つ目は、久留和海岸の「子産石(こうみいし)」のことです。「曲輪(くるわ)ノ浜ニ子産石(こうみいし)ト云々有リ、有年此(あるとしこの)石ヨリ小石ヲ分出ス、故(ゆえ)ニ子産石ト云フ」とあります。

 『横須賀雑考』(昭和43年・横須賀文化協会発行)の中に、「石質を異にする球状の礫石(しきせき)(小石の意)があって、波に洗われて、ころがり出るもので、大きさは、径三センチ位(ぐらい)から三〇センチ位におよぶ。(中略)これは安産の守りとして、婦女子に信仰されても来た。(後略)」とあります。また、京急バスの「子産石」停留所前の家に庭石として飾られているとも、記されています。

 四つ目は、横須賀の公郷にある「曹源寺」のことです。以前は、「宗元寺」の文字を使っていました。『三浦古尋録』の中に、「薬師堂ノ側ニ眼拭(めぬぐい)石有」の一文があります。

 『新編相模国風土記稿』の中に、「寺伝に天平中、行基草創の古道場なり、行基一刀三礼して薬師の像を彫刻し本尊とす」の一文が見られます。

 五つ目は、「吉井の飛石」です。『三浦古尋録』に「吉井鎮守安房口明神」とあって、「此ノ明神、社(やしろ)モナク華表(とりい)バカリニシテ石一ツ山上ニアリ、ソノ石ニ口有リ、安房(あわ)ノ方ヱ向フ故(ゆえ)安房口明神ト云ヒ、又、安房(あわ)ヨリ飛ビ来ル石故(ゆえ)安房口トモ云」とあります。

 現在の千葉県の南「安房」から飛んで来たので「飛び石」とも称しています。

          (つづく)
 

三浦版のコラム最新6

第17回 草餅に使う「ハハコグサ」

三浦半島 草花歳時記

第17回 草餅に使う「ハハコグサ」

文・写真 金子昇

3月5日号

世界一の素敵親子をめざして

連載25

世界一の素敵親子をめざして

文・家庭教育支援チーム「はっぴー子育て応援団」

2月19日号

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

連載

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

三浦市社会福祉協議会 成田慎一

2月19日号

第16回 美しい花「スイセン」には毒がある

三浦半島 草花歳時記

第16回 美しい花「スイセン」には毒がある

文・写真 金子昇

2月5日号

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

連載

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

三浦市社会福祉協議会 成田慎一

1月22日号

世界一の素敵親子をめざして

連載24

世界一の素敵親子をめざして

文・家庭教育支援チーム「はっぴー子育て応援団」

1月22日号

あっとほーむデスク

  • 2月19日0:00更新

  • 1月8日0:00更新

  • 1月1日0:00更新

三浦版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

コラム一覧へ

三浦版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2021年3月6日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク