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三浦 コラム

公開日:2021.01.22

連載24
世界一の素敵親子をめざして
文・家庭教育支援チーム「はっぴー子育て応援団」

 今年の節分が2月2日であることをご存知ですか。2月3日が立春になることで節分が2日になるのは、124年ぶりだそう。コロナ禍で迎える2021年の節分は、歴史に残るでしょう。



 さて、節分では「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまき邪気を払う形が多いようですが、鬼に由来する地方では悪い鬼ばかりでは無いと「福は内、鬼は内」と言い、成田山新勝寺では心の中の強い鬼がいなくならないように「福は内、福は内」と言うそうです。「鬼は悪者」という固定観念が和らぎますね。



 老若男女幅広い世代から絶大な人気を誇る「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」にも主人公と戦う鬼たちの姿があります。登場する鬼たちにもそれぞれの想いやドラマがあり、鬼を悪者とする一方的な捉え方をしない所に魅力を感じるファンも多いそうです。桃太郎や一寸法師などの昔話では、鬼は退治される存在のため、「鬼にも想いがある」という視点が新鮮に感じられます。



 私が小さい時に読んだイソップ童話「アリとキリギリス」は、働き者のアリを称え、働かないキリギリスの言い分を聞くことなく否定していました。そして、「真面目に働くアリのような人になりなさい」と教えられましたが、現代はアリが食べ物のないキリギリスを助け、翌年にはキリギリスがアリを手伝いながら一緒に働く姿で終わる本が多く存在し、時代の違いを感じます。



 桃太郎や一寸法師に退治された鬼、冬になって困窮するキリギリスの立場になったら、何を想い求めるのでしょうか。困ったことをしたから、人と違う考え方だから、見た目が違うから--と排除していてはダイバーシティ(多様性)を確立する社会は望めず、経済成長を含む社会全体にも影響があると言われています。これからを生きる子ども達は、一方的な捉え方だけではなく、違った視点でも考えられることが大切です。ぜひ、親子でアリとキリギリスを演じ、それぞれの考え、意見を交わしてみてください。節分で外に出された鬼の心情について考えるのも季節柄良いですね。



(つづく)

 

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