三浦半島 草花歳時記 第18回 パイオニア精神の「ハマヒルガオ」 文・写真 金子昇
4〜5月、海岸の砂浜を覆うように、丸い小さな葉とアサガオのような大きな花をつけた「ハマヒルガオ」(浜に咲くヒルガオの意)が見られます。波によって運ばれたハマヒルガオの種子は、波の打ち寄せない砂溜まりで真っ先に群落をつくります。このような場所は他の海岸植物が生育できる環境となり、多様な海岸植物が根付いていくところとなります。まさにハマヒルガオは他の植物に「生育できるようになったので早くいらっしゃい」と招いているかのようです。
「ヒルガオ」は野外に生育するポピュラーなつる性植物で、三浦半島で見られるのは大部分が外来種の「コヒルガオ」です。同じ仲間の「アサガオ」は朝開花するのでその名がありますが、ヒルガオも朝開花するのにこの名がついたのにはいきさつがあります。万葉の時代には「カオバナ」と呼ばれていましたが、江戸時代に中国から来た、朝に開花するアサガオが一大ブームになり、この時から「カオバナ」は昼限定の「ヒルガオ」と呼ばれるようになりました。
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